マグネシウムが燃える瞬間、生徒の目が輝く理由とは?(マグネシウムの酸化)

桑子研
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

マグネシウムが燃えるとき、何が起きているのか?

理科室の定番、マグネシウムの燃焼実験。この演示実験には、生徒の視線を一瞬で惹きつけるだけのインパクトがあります。炎の中でマグネシウムが放つまぶしい白色光は、ただ美しいだけではなく、「化学変化とは何か」を実感させてくれる強力な教材です。

この記事では、授業での実施に向けて準備物から実験手順、観察ポイント、安全上の注意までを一通り整理しています。理科教師としての「見せどころ」も含めて解説しますので、ぜひ参考にしてください。

 用意するもの

• マグネシウムリボン(数cmにカット)
• ガスバーナー(チャッカマン不可)
• ピンセット(金属製で長めのもの)
• 保護メガネ(演示者と生徒用)
• 燃焼皿 or 耐熱トレイ(燃え残りを観察するため)

 実験手順

1. 安全対策の確認
• 窓のカーテンを閉める(光の拡散防止)
• 生徒には直視しないように指示(目にダメージを与える可能性あり)
• 必ず保護メガネを着用(演示者と生徒ともに)

2. 準備
• マグネシウムリボンをピンセットでつまむ
• ガスバーナーの火で先端をあぶる(チャッカマンでは温度不足)

3. 燃焼の開始
• 数秒加熱すると発火(約400℃以上)
• 一気に白くまぶしい光を放ちつつ燃える

2Mg + O2 → 2MgO(マグネシウムの燃焼の化学反応式)

4. 燃焼後の観察
• 残ったものは白くもろい粉状の固体(酸化マグネシウム)
• 元の銀色の金属とは見た目も性質もまったく異なる!

観察・考察のポイント

• 質量は変わるか?
→「軽くなった?」と感じるが、実は空気中の酸素と結びついて重くなっている。

• なぜ白い粉になるのか?
→これはマグネシウムと酸素が化合してできた酸化マグネシウム(MgO)。

• 化学変化の証拠
→見た目、手触り、重さ、光の発生…「新しい物質ができた」ことを示す要素が盛りだくさん!

安全上の注意点

• 直視をあまり長くさせない…白色光は紫外線を多く含み、目を傷める恐れがあります。
• 発火温度に注意…チャッカマンやロウソクでは火がつかない。必ずガスバーナーで加熱を。
• 火災対策…火が燃え移らないよう周囲の可燃物は撤去。消火器の場所を確認。

 授業のコツ

• スマホやタブレットで動画撮影し、スロー再生で観察するのもおすすめ。
• 燃焼前後の質感や色の違いを、実物と拡大写真で比較させると理解が深まります。
• 化学変化の定義と絡めて「何が変わったのか」をグループで話し合う時間を設けても◎。

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