挟み込み式ですぐにできるボルタ電池の実験方法(SEPUP研究会)
SEPUP研究会にて、ボルタ電池について実験を行いました。このボルタ電池は、銅板と亜鉛版、ろ紙をつかって挟み込んで行うものです。薄い塩酸(10パーセント)をピペットで上からたらすだけで、プロペラがまわりました。
亜鉛版と銅板はナリカさんでこのような形で綺麗にカットして売られています。
とっても綺麗ですね。
これをハンバーガー上に挟んで、モーターにつけると、プロペラがくるくるとまわりました。
ただこの状態だと周りがよわく電圧も0.8Vくらいです(ボルタ電池の特徴です)。またジュワジュワと水素が発生をしているのがわかり、分極がおこるためかやがてプロペラがとまりました。
ダニエル電池だと何日も回り続けるのですが、ボルタ電池の限界ですね。
ただここからが面白いのですが、銅板を一度炙って酸化被膜を作ってからもう一度おこなうと、プロペラがさらに勢いよくまわります。
これは酸化銅が電子を受け取っているため(還元)、電圧がアップします。
(正極):Cu2O + 2H+ + 2e– → 2Cu + H2O
この結果として、起電力が1.1Vくらいになっていました。ただし長続きはせず、やがてまた0,8Vくらいに落ちてしまいます。落ちた後の銅板をみると、酸化銅の黒色がなくなっていて、またピカピカとした銅にもどっていました。
また銅はこの反応には関係をしていないと思いきや、水素の発生の触媒としての役割もあるそうです。下の参考サイトも併せてご覧ください。
複雑なボルタ電池ですね。でも電池の歴史としては教えておきたいし、異なる金属によって、電池ができるということを体験するという面で意味のある実験であると思います。
参考
ボルタは「異種金属の接触により電気が発生すること」と「その大きさが金属の種類によって異なること」を見出し、イオン化傾向の原型とも言えるボルタ列を提唱しました.
https://solid-mater.com/entry/vol