Macによるネットワークプリンタの設定方法(Macとプリンタをつなぐ「見えない守護神」?接続トラブルを解決するLPDの秘密)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

新しいMacが手元に届くと、早く使いたくてうずうずしますよね。でも、最初の設定、特にプリンタとの接続でつまずくと、せっかくのワクワク感もしぼんでしまいます。実は、パソコンとプリンタの接続は、「異なる言語を話す二人を通訳して、手紙を届けること」によく似ています。今日は、そんな科学的な視点を少し交えながら、Macとネットワークプリンタの接続方法を整理しておきましょう。

まずは「通訳」を用意しよう:ドライバのインストール

プリンタを動かすには、まずMacにプリンタの言葉を理解させる必要があります。そのための翻訳機が「ドライバ」です。接続作業の前に、必ずメーカーのサイトから最新のドライバをインストールしておきましょう。

インストーラーを起動させてインストールします。これで、Macがプリンタに命令を出せる準備が整いました。

住所を特定して手紙を送る:IPアドレスの設定

続いて、Macの「設定」から「プリンタとスキャナ」を選んで、「プリンタ・スキャナ・またはFAXを追加」のボタンをクリックします。下のようなメニューが出てきたら、地球マークのネットワークボタンを押します。

ここで「アドレス」を入力します。これは「IPアドレス」といって、ネットワーク上における「住所」のようなものです。住所が間違っていると郵便が届かないのと同じで、ここが正確でないとデータは届きません。IPアドレスは、すでに接続されている他のPCや、プリンタ本体の設定画面から調べることができます。今回はプリンタの設定から探しました。

ここが科学の面白いところ!「プロトコル」と「守護神」

次に「プロトコル」の選択ですが、ここが一番の重要ポイントです。プロトコルとは、通信をする際の「お作法」や「約束事」のこと。人間で言えば、「日本語で話すか、英語で話すか」を決めるようなものです。お互いの約束事が食い違うと、どんなに正しい住所でも話が通じません。

今回は、ここを「LPD」にすることでうまく接続できました

実はこの「LPD」は、「Line Printer Daemon(ライン・プリンタ・デーモン)」の略です。「Daemon(デーモン)」と聞くと悪魔を想像するかもしれませんが、科学(コンピュータ)の世界では「裏方としてずっと働いてくれる守護神(妖精)」のような存在を指します。ギリシャ神話が語源なんですよ。

うまくいかない場合は、この「通信の守護神(プロトコル)」の種類を変えてみると、うまくいくことが多いでしょう。

最後の仕上げ

ドライバに関しては、最初にインストールしたものを選択します(自動で選択される場合もあります)。 最後に「追加」ボタンを押せば、設定OKです。「住所(IPアドレス)」を調べ、「守護神(プロトコル)」を呼び出し、「通訳(ドライバ)」を通す。こう考えると、無機質な設定作業も少し物語のように感じられませんか?ぜひ試してみてください。

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