「だるま落とし」で慣性の法則を体感! 〜ビンとコインで挑戦する物理実験〜
「慣性の法則って言われてもピンとこないなあ…」そんな中学生の声を一気に引き込める、見て楽しい&やって納得の実験があります。それが、だるま落とし風の慣性実験です。
授業では、教科書で「物体は外から力が加わらない限り、その運動の状態を保ち続けようとする」と説明されます。でも、それを実感として理解させるのってなかなか難しいですよね。そんなときにぴったりなのがこの実験。単純な構造ながら、インパクト抜群で、成功すると拍手が起こるレベルです。
私も動画に撮ろうと何度か挑戦したのですが…最初は失敗。原因は使った定規の厚さでした。たけ定規では少し厚みがあって、うまくコインを弾き飛ばせなかったのです。後日、薄手の金属定規に変えたところ、見事に成功!実際の授業でも、生徒にやってもらったところ、なんと一発成功。家で何度も練習していたらしく、まさに「達人」でした。
実験の準備
• ガラスビン(ペットボトルでも可だが、重さがあったほうが成功しやすい)
• 水(ビンの中に入れ、重さを加える)
• おもちゃのコイン(ダイソーなどで手に入ります)
• 金属製の薄い定規(反発力があり、たたいたときにブレにくい)
実験のやり方
1. コインを2〜3枚重ねて、安定するように机の上に置く。
2. その上に、水を入れたビンを静かに乗せる(ビンが倒れないよう慎重に)。
3. 定規をコインの下に差し込み、素早く水平に叩き抜く!
成功すると、コインだけが飛び出し、ビンはその場にとどまります。これはまさに「慣性の法則」が働いている証拠。ビンは静止していたので、下のコインが消えても、その場にとどまろうとするわけです。
補足:動いているものがそのまま動き続ける例
同じ「慣性」の考え方で、エアホッケーの実験もおすすめです。滑りやすい面上では、物体がスーッと動き続ける様子が観察できます。こちらも合わせて紹介すると、動と静、両方から慣性の法則が学べて理解が深まります。
よく見ると、面に小さな穴が空いていて、下から空気が噴き出ています。この空気によってパックの摩擦力が減らされていると言うわけですね。動摩擦の公式がF=μN(摩擦係数×垂直抗力)と、N垂直抗力が付いていて、Mg重力ではないと言うことも、この例で見るとよく意味がわかるのではないかなと思います。
このほかにも、静止しているものは静止を続けると言うものについてはだるま落としの例がありますね。
毛利さんのこちらの動画もおすすめです。宇宙って不思議。
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