雑草界の千手観音!?「チガヤ」の驚異的な生命力と名前の秘密

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

学校のビオトープを歩いていると、ふと足元に力強く芽吹く植物が目に留まりました。皆さんはチガヤという植物をご存知でしょうか。一見すると、どこにでもある「ただの雑草」に見えるかもしれませんが、実はその名前や生態には、思わず誰かに話したくなるような面白い秘密が隠されているのです。

名前の由来は「千」?槍のような葉の秘密

チガヤは、単子葉類のイネ科に属する植物です。同じイネ科のイヌムギなどと一緒に、道端や空き地でよく見かけるおなじみの存在ですね。wikipediaで調べてみました。

このチガヤという名前、漢字では「茅」と書きますが、その由来がとても興味深いのです。和名の「チ」は数字の「千」を表しており、何千もの個体が群がって生える様子から「千なる茅(カヤ)」と名付けられたと言われています。なお「カヤ」というのは、実は特定の植物の名前ではなく、「屋根を拭く(ふく)材料として使われる背の高い草」をまとめて呼ぶ総称です。

さらに、ピンと垂直に立った尖った葉の姿を「矛(ほこ)」に見立てて、古くは万葉集などの和歌にも登場するほど、日本人にとって身近な植物でした。

地面の下に隠された「忍者のような」地下茎

チガヤを調べていて、私が一番驚いたのはその繁殖戦略です。実はチガヤ、地面の上に見えている部分だけが本体ではありません。

地面の下には、白くて節が目立つ地下茎(ちかけい)が横に長く、まるで忍者のように隠れて這い回っています。そこから細い根を出して、所々から新しい葉を地上へと送り出しているのです。

この「地下茎で増える」という特徴が、チガヤを「最強の雑草」にしています。草むしりをしても、地下に茎が残っていればまたすぐに生えてきてしまうのですね。このあたりは、種子で増えるイヌムギとはまた違った、驚異の生命力を感じさせます。

銀世界の美しさ!空を飛ぶ綿毛の種子

チガヤの見ごろは、初夏の5月から6月にかけてです。葉が十分に伸びきる前に、赤褐色の花穂(かすい)をすっと伸ばします。

この花がまた美しいのです。銀白色の絹糸のような長い毛に包まれた花穂は、太陽の光を浴びるとキラキラと輝きます。熟した穂は綿のようにほぐれ、種子はこの綿毛に乗って風に運ばれ、遠くの新天地へと旅立っていきます。

何気なく踏んでいる雑草も、詳しく調べてみると「千」という数への驚きや、地下に張り巡らされたネットワーク、そして空飛ぶ種子の戦略など、まるで一つの壮大なドラマのようです。皆さんも、近所の空き地で「千の茅」を探してみませんか?

お問い合わせ・ご依頼について

科学の不思議やおもしろさをもっと身近に!自宅でできる楽しい科学実験や、そのコツをわかりやすくまとめています。いろいろ検索してみてください!
・科学のネタ帳の内容が本になりました。詳しくはこちら
・運営者の桑子研についてはこちら
・各種ご依頼(執筆・講演・実験教室・TV監修・出演など)はこちら
・記事の更新情報はXで配信中

科学のネタチャンネルでは実験動画を配信中!

3月のイチオシ実験!

  • 押し花を作ろう!:梅や桜の花の押し花を作ってみましょう。特別なケースに入れると、長く保存できて、しおりにもなります。

テレビ番組・科学監修等のお知らせ

書籍のお知らせ

講師・ショー・その他お知らせ

Explore

  • 楽しい実験…お子さんと一緒に夢中になれるイチオシの科学実験を多数紹介しています。また、高校物理の理解を深めるための動画教材も用意しました。
  • 理科の教材… 理科教師をバックアップ!授業の質を高め、準備を効率化するための選りすぐりの教材を紹介しています。
  • Youtube…科学実験等の動画を配信しています。
  • 科学ラジオ …科学トピックをほぼ毎日配信中!AI技術を駆使して作成した「耳で楽しむ科学」をお届けします。
  • 講演 …全国各地で実験講習会・サイエンスショー等を行っています。
  • About …「科学のネタ帳」のコンセプトや、運営者である桑子研のプロフィール・想いをまとめています。
  • お問い合わせ …実験教室のご依頼、執筆・講演の相談、科学監修等はこちらのフォームからお寄せください。