ジェットエンジン・イカと運動量保存の法則
ペットボトルロケットにはたくさんの学びがありますが、一番は運動量保存の法則でしょうか。ペットボトルロケットを飛ばすときには、水の入れる量がとっても大切です。水を空気圧で押し出す量が大きければ大きほど(水の質量m)、また押し出す勢いがつよければつよいほど(水の速度v)、大きな運動量をロケットが得て、勢いよく飛んでいきます。
ただし水がロケットに残ってしまうような量をいれてしまうと、ロケット全体の質量が大きくなってしまうため、得られる運動量mvの、mが大きくなってしまうため、vが大きくならず飛びにくくなってしまいます。このため水をどの程度いれるかが、どこまで飛ぶか?に深く関わっています。
同じことはジェットエンジンについてもいえます。ジェットエンジンでは、エンジンの前方から空気をとりこみ、燃料で空気を膨張させて、勢いをつけて後方に空気を出すことで、前にすすんでいきます。ペットボトルロケットとやっていることはほとんど同じですね。
こちらの書籍では、
大気圧の30〜40倍にも圧縮された空気に燃料を噴霧して点火することで、空気を爆発的に燃焼させる
…
空気を圧縮するのは、体積が小さいほうが燃料の噴霧および燃焼が短時間で万遍なくでき、燃焼効率が上がるからです
と書かれておりました。
またイカやタコも同じで、イカの場合は外套膜(がいとうまく)に水をすいこみ、漏斗(ろうと)から勢いよく噴出することで、前に進むとのことです。
画像引用:全国いか加工業共同組合 イカ学Q&A 2022/03/19
またプロペラを使ってすすむ船よりも圧倒的に速いのが、ウォータージェット推進だそうで、なんと時速90kmでも航行可能なのだそうです。仕組みとしては、ジェットエンジンと同じですが、空気ではなく水であるということだそうです。
ロケットエンジンについては、外部から空気を取り込むのではなく、燃料と酸素をそれぞれエンジンにとりいれて燃焼させて、得られたガスを噴出して飛びます。空気のない宇宙においても、推進力を得ることができます。
はやぶさに搭載されていた「イオンエンジン」は、キセノンガスにマイクロ波をあてて、プラズマ化させると帯電したイオン粒子になり、これに電場をかけて加速させて後方へ噴出させて推進力に変えるそうです。
すべて上記の書籍にかかれておりましたが、こうして並べると運動量を考えることで、すべて理解することができて面白いですね。空気をいえれた風船が飛んでいくのも、同じ仕組みですね。
#運動量 #ジェットエンジン
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