ビー玉に隠れた物理法則!「ころがスイッチポケモン」で学ぶエネルギー変換の仕組み

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

ビー玉が坂道を転がり落ち、シーソーを傾け、扉を開け、最後にモンスターボールがパチンと閉じる。まるでピタゴラ装置そのものの連続反応が、大好きなポケモンの世界で再現できるとしたら、子供が夢中にならないはずがありません。今回は、我が家の子供が以前からずっと欲しがっていた「ころがスイッチポケモン」で遊び倒してみた記録と、そこに隠れていた物理の面白さをご紹介します。

ピタゴラスイッチ×ポケモンという最強タッグ

「ころがスイッチポケモン」は、ピタゴラスイッチでおなじみの連鎖装置の仕組みと、ポケモンというキャラクターの組み合わせという、我が家の子供にとってこれ以上ない組み合わせのおもちゃです。届いてからというもの、毎日のように遊びまくっています。

一見ただの玩具に見えますが、実際に組み立てて遊んでみると、力学的に見ても面白い仕掛けがたくさん詰まっていることに気づかされます。

位置エネルギーと運動エネルギーの変換ショー

このおもちゃの基本的な動きは、位置エネルギー運動エネルギーに変えていくことで成り立っています。高いところに置かれたビー玉が持っている位置エネルギーが、坂道を転がり落ちる過程で運動エネルギーへと姿を変え、その勢いで次の仕掛けを動かしていくというわけです。

面白いのは、コースの傾斜を変えて遊べる点です。途中でコースを下に下ろしてみると、ビー玉がより速く到着することが、実際に手を動かして確かめられます。これはまさに、同じ高さの差(位置エネルギーの差)でも、坂の角度によって「どれだけ速く」運動エネルギーに変換されるかが変わってくるという、力学の面白いところを体感できる瞬間です。理科の実験で使う斜面の実験装置を、おもちゃの形で自宅に置いているようなものですね。

エネルギーはどこからやってくるのか?

ピタゴラ装置のような連鎖反応でありがちな問題が、摩擦や衝突によって全体の力学的エネルギーが少しずつ失われていってしまうことです。転がるたびに、また跳ねるたびに、エネルギーの一部は熱や音になって逃げていきます。ではこの「ころがスイッチポケモン」は、失われていくエネルギーをどうやって補っているのでしょうか。ここが個人的に一番興味深いポイントでした。

観察してみると、あるときは弾性エネルギーを、あるときは、あらかじめおもりにためておいた位置エネルギーを使って、装置全体にエネルギーを注入していることがわかります。ゴムやバネにためた弾性エネルギーがビー玉を弾き飛ばしたり、持ち上げておいたおもりが落下することで新たな運動エネルギーを生み出したりと、まるで装置のあちこちに小さな「エネルギーの補給ポイント」が仕込まれているような作りになっているのです。

さらに、運動エネルギーを使って「仕事」をさせる仕掛けもあります。転がってきたビー玉の勢いを利用して、最後にモンスターボールをパチンと閉じさせる場面などがその一例です。エネルギーが形を変えながら受け継がれていき、最終的に目に見える「仕事」として結実する様子は、何度見ても飽きません。

2セットを組み合わせた巨大装置に挑戦

このシリーズは現在2セット販売されています。強いて不満点を挙げるとすれば、ブロックの作りがやや甘く、外れやすかったり、逆に硬すぎたりする点でしょうか。とはいえ、慣れてしまえばそれほど問題にはなりません。

また、公式サイトに掲載されているコース例が少しわかりにくいところと、2つのセットのパーツを組み合わせて作る巨大装置の組み立て方が非常にわかりにくいという点も気になりました。そこで、実際に私の方で組み立ててみましたので、その写真を掲載しておきます。作ってみようと思っている方は、ぜひ参考にしてください。

いろいろな方向から撮りました。

小さなビー玉ひとつの動きの中に、位置エネルギー、運動エネルギー、弾性エネルギーといった物理の基本概念がぎゅっと詰まっている「ころがスイッチポケモン」。お子さんと一緒に組み立てながら、「なぜこう動くんだろう?」と考えてみると、遊びがそのまま理科の学びにつながっていく、そんなおもちゃです。

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