教員のリモート授業はコンテンツ<コンテキスト
「リモート授業はどうすると良いでしょうか?」そんな質問がここに届きました。他の先生と比較されやしないか、間違った内容を配信しやしないか、顔を出したほうがいいのか・出さないほうがいいのか…、技術が不足していて…。悩みはつきません。
現場の先生方も私を含め混乱をしています。とりあえず私は今実践をしていることをお伝えしました。そしてどんな考えがあって、そのような実践を行っているのかを改めて考えてみました。
最後に、「先生の取り組みは、きっとその思いが生徒に届くはずです」と、あなたは誰なんだ?という感じで返信をしていました。もしかしたら自分に向けて、書いていたのかもしれません。
コンテンツよりコンテキスト重視
リモート授業で使う動画をいろいろな先生方が作って配信していったときに、様々な動画とともに世間から評価されて、間違いの指摘や、一番わかり易い1つの動画授業が生き残るのかもしれない…
そう思うと動画を配信するのも怖くなってきます。
でも、ぼくはそうではないと思っています。たしかに、いろいろな先生のいろいろな授業と比較されて、一番わかりやすいものは残っていくという面はあるかもしれません。そういう意味ではその道で生きてきた、塾の先生が長くやられている動画授業には、一般の教員が、コロナの状況にせまられた作った動画授業では太刀打ち出来ないと思います。
でも目の前の生徒に対してはどうでしょう。現場で少しまえまで生徒と対面していた教員だからこそ、またその学校だからこそ、その動画授業というコンテンツだけではなく、コンテンツの裏側にあるもの、つまり物語やキャラクター(コンテキスト)がも一緒に生徒は受け止められるし、配信している生徒にとって大切なのだと思っています。
なので少し肩の力をぬいて生徒に届けるので良いのかなと思っています。
休校前に使っていたプリントと同じ形のものが動画で解説されていたり、その先生自身の声や人柄が現れていたり、手書きの資料が入っていたり、ときには動画授業で間違ってしまったり、方言が入っていて聞き取りにくかったり、そういったものすべてが愛されるはずだと考えています。生徒に選ばれるリモート授業はそこにあるのではないかと考えています。
ですので、僕自身はあまり恐れずに、いろいろな取組を行っています。私自身は顔を出すことにあまり抵抗感はありませんが、顔を出してもいいし、出さなくてもいいと思います(顔が出ない動画もたくさん作っています)。でも動画ですから声はいつもの自分の声のほうがいいと思います。配信は生徒がみなれた教室がいいかもしれませんが、先生の個性のわかる部屋でも同じような効果があるでしょう。
また今ロイロノートというもので質問を受け付けていて毎日1つずつくらいの質問がきています。この質問などのやり取りで生徒とつながっているというのも、たとえリモート授業の内容がつたなくても、重要な要素の1つだと思っています。
お尻を押すよりも、楽しさと実験で引きつけたい
私の場合、実験も一つの足がかりとしています。導入では必ず実験をいれるようにしています。これは教科の特性かとは思いますが、あまり実験をみせる動画をリモート授業として配信をしている塾のプロの方は多くないはずです。もともと話をするのが得意な方ではなく、ただ昔から実験が好きなおじさんだということがあるかもしれませんが…。
またリモート授業でも楽しんで取り組んでほしい、と思って雑談も配信しています。その他にも少しでもたくて作った、拙いスクリーンキャスト動画、これらの私の気持ちが一緒になって伝わるといいなと思っています。
配信の結果としては、今の所、生徒から質問や感想をロイロノート上でいろいろと受け取っていて、比較的良い反応が帰ってきています。もしかしたら変な人だと思われているかもしれませんが、予備校の教員とは違う土俵で、教員は勝負をするべきです。
そのようなわけで、繰り返しになりますが、全国の普通の先生方の取り組みは、きっとコンテキストこみで生徒に届くはずです。リモート授業の作り方に悩まれたらこちらを参考にしていただければと思います。あくまで一つの事例だとお考えください。
休校中の高校生向け教材の提供しています。困っているという他県の生徒の問い合わせから一般公開をしました。こちらをご覧ください。
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