科学漫画には見られなかった斬新なコマ割り『痛快!宇宙論』
東京書籍の編集のNさんとメールでやりとりしていたところ、最後に「この本が面白かったです」ということで教えてもらいました。
[amazonjs asin=”4797673664″ locale=”JP” title=”アインシュタイン 痛快! 宇宙論 (知のトレッキング叢書)”]
誰かから進められると、すぐに手にとってしまうぼく。というわけで、さっそくAmazonで注文してみました。すぐに届いたAmazonに驚きつつも、読んでみるとたしかに面白い。実際に開くまで漫画だということがわからなかったのですが、文字が多くてボリュームがあるので、一般的な漫画と新書の間のような作りの本のように感じました。
「アインシュタイン」とタイトルについているので、相対性理論の話なのかなと思っていたら、これがまた違っていて、ニュートン力学や、量子論、宇宙論など様々な話題にふれられており、さらに非常に練られた作りで、2000円という値段が安く感じます。(買う前は高く感じました笑)
例えばこのページはビックバンについての説明のものなのですが、コマ割がとてもユニークです。
翻訳本なので、読む方向は左ページから。コマは左上から右下で次のページにいき、次のページへうつり、また左上から右下といったように読み進めます。ただし、このページには、中央に大きなぶち抜きのコマがあります。はたして、これは何でしょうか?
実はこのページは左ではビックバンについて、そして読み進めていくと右では、重力が強ければ宇宙がいつか収縮していき一点にまた集まってくるかもしれないということが書かれていますが、ブチ抜きのコマを使って表現されていて、左から右に向かって時間的な流れ、爆発と収縮を、そしてちょっとひいてみると宇宙空間的な広がりを表現。宇宙のつながりと、壮大な時空スケールを感じられるような作りになっていました!やられた!
またアインシュタインが案内人で、主人公は顔のない誰かとなっています。ですので自分を憑依させることができる!その誰かとアインシュタインが宇宙をまたにかけた大きな旅にでかけているという作りになっており、科学の知識と物語がうまく融合されています。
このように非常に練られてコマ割りやストーリー展開が行われるので、映画のように脳にパシャ、パシャっと入っていくのがフシギ。考えられています!科学漫画だと、ストーリーまでうまく溶け込んでいない場合も多いのですが、満点です。
小学生から読むことができるとは思いますが、対象は大人向けに書かれているような感じがします。ぜひぜひ、ご覧ください。いい買い物をしました。編集者のNさん、ありがとうございました!
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