電池不要の「おしゃべり」?プラスチックのひもが声を出す驚きの仕組み(トーキングテープ)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

「電池もスピーカーもないのに、ただのプラスチックのひもがおしゃべりをする……」そんな不思議な体験をしたことはありますか?

今回は、音の正体を肌で感じられる驚きのアナログ教材「トーキングテープ」をご紹介します。一見するとただの赤いテープですが、そこには「声」が物理的に刻み込まれているのです。仕組みを知れば、普段何気なく聞いている「音」の正体がもっと面白く見えてきますよ。

トーキングテープ 日本語3本セット(パズラボ)

「音」を刻み込むアナログの知恵

仕組みは驚くほどシンプルです。この赤いテープの表面をよく見ると、微細な「凸凹(デコボコ)」が刻まれているのが分かります。

このテープに凹凸がついています。これを紙コップにはりつけます。

実はこれ、昔の蓄音機やレコードと同じ原理なのです。この凸凹は「声の波形(空気の震え方)」そのもの。ツメでこすることで発生した小さな振動が、貼り付けた紙コップに伝わり、紙コップの中の空気を大きく震わせることで、私たちの耳に「声」として届くのです。

実際にやってみた!「あなたがすきよ」の決定的瞬間

爪を軽く立ててこするように引きます。するとある言葉を話します。今回は「あなたがすきよ」とお話をするテープを買ってみました。こちらの動画を御覧ください。

動画の通り、「あなたが好きよ」とハッキリ聞こえますよね!デジタル全盛の今の時代に、物理的な振動だけで言葉が再現される様子は、何度体験しても感動的です。

こする速さで「声の高さ」が変わる科学

実際に操作してみると、面白い発見があります。 テープを早くこすれば「高い声」になり、ゆっくりこすると「低い声」に変わるのです。

これは理科の授業で習う「周波数」の関係です。早くこすると、単位時間あたりにツメに当たる凸凹の数が増え、振動数が多くなるため、音が高くなります。逆にゆっくりだと振動数が減り、音が低くなるのですね。自分自身が「蓄音機のモーター」になったような気分で操作できるのが、この教材の醍醐味です。

ただし、一点だけ注意があります。あまりツメを強く立ててしまうと切れてしまうので注意が必要です。小学生に触らせるときには特にお気をつけください。私自身、生徒たちが夢中になりすぎて、すぐに壊してしまった経験が多数あります(笑)。

「音は振動である」という言葉を、ただ知識として知るだけでなく、指先の感覚で体験できる素晴らしい道具です。ぜひ皆さんも、プラスチックのひもが語りかける「魔法の声」を体感してみてくださいね!

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