グラフの二刀流で運動の正体を見破れ!イージーセンスを使いこなす2画面テクニック

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

「動いているもの」の正体を突き止めたいと思ったとき、あなたならどうしますか?物理の世界では、物体の位置が時間とともにどう変わるかをグラフに描くことからすべてが始まります。しかし、位置の変化だけを見ていても、その運動の本当の面白さは見えてきません。今回は、デジタル計測器イージーセンスを使って、物体の位置を表すx-tグラフと、速度を表すv-tグラフを同時に表示させる、ちょっとプロフェッショナルなテクニックをご紹介します。

運動を「多角的」に眺めるメリット

完成図はこのような形になります。

なぜグラフを2つ並べる必要があるのでしょうか。それは、「位置の変化」と「速度の変化」が数学的に深くつながっているからです。2つのグラフを上下に並べて眺めると、位置のグラフの傾きが急なところで速度のグラフの値が大きくなっている……といった「物理の法則」が、理屈ではなく視覚的な驚きとして飛び込んできます。それでは、具体的な設定方法を見ていきましょう。

ステップ1:まずはデータをゲットする

まずはじめに、モーションセンサー等で、データを取得します。通常、初期設定ではこのようにx-tグラフのみが表示されます。

ステップ2:速度の項目を追加する

次に、ツールメニューから「測定前設定ガイド(または測定後ガイド)」を開き、計算項目として速度を追加します。

今回は「運動」というカテゴリの中から「速度」を選びます。

ステップ3:表示を2画面に切り替える

速度を設定しただけでは、まだ画面には1つのグラフしか出ていません。ここで「表示」→「グラフオプション」を選び、2つのグラフを表示させるように設定変更します。

ステップ4:各グラフの中身をセットする

2つの空のグラフが出てきたら、仕上げの作業です。上のグラフの上でペン先(またはマウス)をあてて長押ししてください。

これで右クリックと同じ動作になり、メニューが表示されます。

ここで「チャンネルの表示・非表示」を選択し、上のグラフには距離(x)、下のグラフには速度(v)をセットしましょう。すると……!

このように、次からの測定では2つのグラフが連動してリアルタイムに描かれます。

グラフの裏側にある「数学の魔法」

位置のグラフを計算して速度を導き出すこの操作、数学的には微分という作業を自動で行っていることになります。理論上はさらに微分を重ねて、速度の変化である加速度(a-tグラフ)を表示させ、3つのグラフを同時に並べることも可能です。ただ、私が使っている「イージーセンスビジョン」だと、さすがに画面が小さくなってしまい、せっかくのグラフが見えにくくなるかもしれません。そんなときは適宜パソコンと接続し、大きな画面でダイナミックに変化を観察すると、より深いなるほど!という体験につながります。デジタル計測を味方につけて、目に見えない運動のルールを視覚的に楽しんでみてください。イージーセンスの基本についてもっと知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

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