現場発!デジタル教科書が授業に与える3つのインパクト

  • X

みなさんはデジタル教科書を使っていますか?ぼくは東京書籍でデジタル教科書「新編物理基礎」の監修をしていました。iPad版でアプリストアからも売られています。その関係もあり、iPadにデジタル教科書を入れて授業で使用をしていました。デジタル教科書の特徴としては、

・実験動画が所々に入っている

・書き込むことができる

・タブレットに入るので、軽い

インタラクティブなソフトが入っている

などのメリットがあります。本校では生徒に持たせるという段階にはいたっていないのですが、まずは教員がということで使っている先生もいます。特に良いなと思っているのが、インタラクティブなソフトが入っているという所です。

インタラクティブなソフトとはどういうものかというと、閲覧者が自由にパラメーターを設定をして、物理現象をみたり、試したりすることができるものです。

このデジタル教科書なのですが、今回新たに4単位の「物理」についての開発がはじまり、そこに掲載されている動画やソフトについて私が監修をしました。その関係から、なんとまだ売られていないテスト版をお借りすることができました

今回は、そのテスト版から、どのようなデジタル教科書に仕上がっているのかをご紹介します。前回のものと比較して変わった所があるのですが、大きく分けると3つの特徴があり、これが授業に影響を与えるものになります。

1 パソコンにも入る専用リーダー

まず大きな変更点として、Windowsで動くLentranceReader(レントランスリーダー)というソフトでデジタル教科書が動いています。iPad版ももちろん発売されますが、これは教員にとってとてもうれしいことですよね。

実際にインストールしてみました。

これでパソコンを授業にそのままもっていって、生徒に提示することができます。また提示をするときに画面が小さいと見せにくいので、拡大をすると思うのですね。でも今回の拡大機能がまたいいのです。

2 見せたいものを効果的に!

例えば上記の画像の左側のページの図表をクリックすると、

図表のみ拡大されます!単なる拡大ではなく、図表のみです。これが教師にとってうれしいですよね。図表を表示させておいて、その上から書き込んだり、黒板の隅に表示だけさせておくことができますね。

では本文は?というと、クリックすると、

このような形で本文のみが大きく表示されます。設定から文字のフォントも変えられるので、太く見やすい文字で提示することもできます。さらに驚いたのが、設定から行える「白黒反転ボタン」です。

これは!

ホワイトボードへの投影なら問題はないのですが、真っ黒な黒板に映像を投影をするときに、白黒反転機能がついていると、きれに投影でき、その上からチョークで書き込みができますよね。

これは嬉しい機能です。なんと行間もかえることができましたので、英語や国語の先生などは活用の幅が広がりそうです。もちろん図表でも同様に白黒反転ができます。

3 動きのある教材で理解度UP!

そして今回のデジタル教科書でも見せ場はこれ。インタラクティブなソフトです。

教科書のところどころについている「プラスボタン」です。これをクリックすると、

このような感じで、ぼくも開発に協力したインタラクティブなソフトが立ち上がります。これは特に気に入っているもので、定常波の作られる様子をアニメーションで見ることができるというものです。とにかくよくできているので、こちらの動画を御覧ください。

ポイントは下のボタンで時間を自由にかえることができるという点です。これがあるため、定常波の腹や節の部分がどうなっているのか、好きな場所で見せることができます。開発の裏話ですが、初期状態をどうしたら教員が使いやすいのかについて、授業で使いながら調整をしていきました。

このように今回のデジタル教科書は「教師が授業で使いやすいように」できているという点が大きいのですね。私は物理にしか関わっていませんが、このリーダーソフトは東京書籍の他の科目でも同じように使われるはずです。非常に使いやすい作りになっているので、デジタル教科書まずは教員へに導入を検討してみてはいかがでしょうか。

東京書籍 デジタル教科書のサイトはこちらから

ナリカでICT活用に関する講習会を行います。今回のデジタル教科書についても紹介をする予定です。もしよろしければご参加ください。詳しくはこちらからどうぞ(^^)

[blogcard url=”https://phys-edu.net/wp/?page_id=20940″]

科学の情報はこちらにも掲載しています。


・ニュースレターはじめました

[subscribe2]