紙パックは捨てないで!自宅で水圧をはかってみよう!
紙パックで水圧をはかってみよう!
水圧を測定する実験では、両方の口が開いている円筒の片方にふたをして、水に沈めていくという実験が一般的かなと思います。少しずつこの筒を引き上げていくときに、フタが落ちる場所をつかって水圧を計算します。
本校でも中学1年生のときに、この実験を行っています。なかなか計算が難しくて、また理解をするのが難しい実験の1つでもあります。
今日は水圧の測定実験について、さらにわかりやすく、かつ安価に自宅でもできる方法について、開発をしましたのでご紹介します。使うものはとても身近な紙パック!です。
科学のレシピ
用意するもの
電子天秤(料理用のはかりでも可)、ビーカー、紙パック容器、水槽、マジック、定規
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方法
① 水槽に紙パックを手に持って沈めてみましょう。深さとともに水圧が大きくなっていくことを感じることができます。
② 紙パックに底から3cm、6cm、9cmと印をつけて、3cmの深さに水の中に沈めて手で固定します。この状態にして、紙パックの上部から水を少しずついれていきます。紙パックが手を放しても、深さ3cmぴったりに止まるまで、水をいれていきましょう。入れすぎた場合には、スポイトで水を吸い出します。
③ 水圧と容器の重さがつりあっているので、このときの紙パックの重さが、この容器を上に押し上げる水圧による力の大きさを示しているということになります。紙パックを引き上げて、電子はかりで質量を測定します。
④ この値から水圧を計算してみましょう。
例) 上記の例でいえば、56gなので、このときの紙パックにはたらく重力は
0.056[kg]×9.8[m/s2]=0.54[N]
容器の底面積は、縦が4.5cm、横が4cmなので、
0.045[m]×0.04[m]=0.0018[m2]
この値から水圧を計算すると、
となります。理論で考えると、深さ3cmの水圧は、
P=ρhg=1000[kg/m^3]×0.03[m]×9.8[n/s^2]= 294 [Pa]
となり、おおざっぱな実験でありながらも求めることができます。同じように、6cm、9cmと実験をして、横軸に推進、縦軸に水圧をとるというように実験をすることができます。
この実験でわかること
この実験をおこなうことで、水圧の大きさが感覚としてわかるという特徴があります。また紙パックに水をいれた量が、水面と一致したときに紙パックから手を離してもつり合うということに気が付きます。これはアルキメデスの原理(物体が押し出した液体の重力の大きさ=浮力の大きさ)ということを体感として気がつくということにもなり、理解が深まります。
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