1+1は2じゃない?科学の視点で読む「プラスの記号」の物語絵本
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
みなさんは、「理系の頭脳」を持った人が描いた絵本を読んだことがありますか? 「文系」「理系」と単純に分けるのは少しナンセンスかもしれませんが、本屋さんに並ぶ絵本の多くは、どちらかといえば文学的で、情緒豊かなものが多い印象がありますよね。
そんな中、育児雑誌『kodomoe(コドモエ)』の付録に、ひときわ異彩を放つ一冊がついていました。表紙には大きくプラス(+)の記号。裏表紙の解説を読むと、なんと作者はバリバリの理系の方だとか。中身を開いてみると、そこには「数式」の本来の面白さを教えてくれる、素敵な世界が広がっていました。

「1+1=2」だけじゃない?記号が持つ本当の意味
この絵本の内容はとてもシンプルです。ページをめくるたびに、「○○ + ○○ = ?」という数式が、かわいらしい絵で描かれています。
例えば、「りんご + りんご」。

算数の授業なら、答えは間違いなく「2個のりんご」ですよね。 しかし、この絵本が教えてくれるのは、計算の結果ではなく、「+(プラス)」という記号が持つ無限の可能性です。
科学の世界では、「混ぜる」「合わせる」ことで、まったく新しいものが生まれることがよくあります。
・水素 + 酸素 = 水(爆発的な反応!)
・青色 + 黄色 = 緑色
このように、「+」は単に数を増やすだけでなく、「変化」や「反応」を表す記号でもあるのです。この絵本は、そんな「概念としての足し算」を、幼児にもわかる絵で表現している点が非常に秀逸でした。
「りんご+ニュートン」の答えは?
読み進めていくと、大人の私でも「なるほど!」と膝を打つようなページが登場します。それが、「りんご + ニュートン = 万有引力」という数式です。

これは単なる足し算ではありませんね。 「落ちるりんご」という現象と、「ニュートン」という天才の脳が出会ったとき、そこには「科学的発見」という化学反応が起きたわけです。異なるものが出会って、新しい価値が生まれる。これもまた、立派な「+」の働きです。 私たち理科教師が授業で伝えたいのは、計算の速さよりも、まさにこういった「物事を結びつけて考える力」なのですが、それを絵本で表現してしまうとは脱帽です。
理系絵本で育む「世界を見る目」
うちの子はまだ小さいので、この深さまでは理解できていないかもしれません。でも、楽しそうにページをめくっていました。
「数式」というと、どうしても無機質な計算ドリルを思い浮かべて嫌いになってしまう子も多いものです。でも本来、数式は「世界がどうなっているか」を記述するための言葉なんですよね。
小さいうちからこういった「理系絵本」に触れることで、「+って面白い!」「=の向こうには何があるんだろう?」と、数式をワクワクするものとして捉えてくれたら嬉しいなと思いました。
みなさんも、もし見かけたらぜひ手に取ってみてください。大人の頭の体操にもおすすめですよ。
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