太陽と蛍光灯の「白」は別物?手作り分光器で見える光の裏側(ケニス簡易分光器製作キット)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

普段何気なく見ている「光」ですが、実はその中にはたくさんの色が隠れていることをご存知でしょうか?先日の授業では、光の成分を分ける「分光(ぶんこう)」という実験を行いました。人間の目にはただの「白い光」に見えても、科学の道具を通すと、驚くような世界が広がります。

手作り分光器で光の正体を探る

今回使用したのは、こちらの実験キットです。本格的な分光器を購入すると高価なものですが、このキットなら工作感覚で安価に作ることができます。それでいて、光の波長計算までできてしまうという、中学から高校の物理実験まで幅広く使えるすぐれものです。

簡易分光器製作キットMJケニス

太陽光が描く虹のグラデーション

まずは、私たちの身近にある太陽の光を窓越しに観察してみました。 (※注意:太陽を直接のぞくのは絶対にやめてください!目を傷める危険があります。必ず白い壁や雲などに反射した光や、間接的な光を見てください。)

すると、このように光が美しく分かれて見えます。

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拡大してみましょう。

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とてもきれいですよね。赤から紫まで、色が途切れることなくつながっているのがわかります。これを「連続スペクトル」と呼びます。太陽や白熱電球のように、高温で燃えている物体が出す光は、このようにすべての色が滑らかに混ざり合っているのです。

「白」でも中身が違う?蛍光灯の不思議

次に、教室の蛍光灯をこの分光器で覗いてみました。すると、太陽とは全く違う見え方をすることに気づきます。パッと見は太陽と同じ「白い光」に見える蛍光灯ですが、分光器を通すと、特定の色だけが明るく光り、虹の中に「隙間」があるのがわかります。これは「線スペクトル」と呼ばれ、蛍光灯の中にある水銀などのガスが特定の波長の光だけを出している証拠なのです。

「自然の光」と「人工の光」は、見た目は同じ白でも、含まれている成分が全く異なる。この実験を通して、そんな科学の面白さを実感することができます。すぐに班の数だけ用意できる手軽さも、授業をする側としてはうれしいポイントです(^^) ぜひご家庭や学校でも、身の回りの光の「中身」を覗いてみてください。世界が少し違って見えるかもしれません。

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