黒板にスマホ画面を投影! アナログとデジタルの融合が生み出す「生徒と向き合う時間」(AERA掲載)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

理科の授業といえば、先生がチョークでコツコツと図を書き、生徒がそれをノートに写す……そんな風景を思い出しませんか? 「先生、背中で黒板が見えません!」なんて声が飛ぶのも、教室の風物詩かもしれませんね。

しかし今、そんな教室の風景がテクノロジーの力で劇的に変わりつつあります。 今回は、私が実際の授業で導入している黒板拡張アプリ「Kocri(コクリ)」を使った、ちょっと未来を感じる授業風景をご紹介します。

黒板とスマホが融合? 「Kocri」の仕組み

黒板拡張アプリKocriについて、実際の授業での活用風景を動画で撮りました。KocriとはiOSアプリで、うつしたものを白黒反転させるための道具です。黒板に相性がいいのが特徴ですね。光の分野(中1)では、図が多いためプリントを使って、図に書き込みをしながら授業を進めています。

プロジェクターは「光」を投影する装置です。白いスクリーンならそのまま映せばいいのですが、黒板は「黒(濃い緑)」ですよね。 そこでこのアプリの出番です。資料の「白」と「黒」を反転させて投影することで、黒い部分は光が当たらず(黒板の地の色になり)、白い線だけが光って黒板に浮かび上がるという仕組みです。 まさに「光と影」の性質を利用した、理にかなったツールなのです。

「書く時間」を「考える時間」へ変換する

今までは生徒のプリントに予め載っている図を黒板に書いてから説明をしつつ、生徒に考えさせて、質問をしながら、線や文字などを書き加えていました。

しかし、冷静に考えてみてください。この場合、生徒のプリントにある図と同じものを書く時間がもったいないのです。 複雑なレンズの図や回路図を書くのに5分かかったとして、その間、生徒の思考は止まってしまいます。

ですが、Kocriを使うと、一瞬で準備が整います。

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黒板直接投影なので、書き込みができます。

このシステムの最大の利点は、「デジタルで投影したものに、アナログ(チョーク)で書き込める」という点です。 パワーポイントのようなスライドだと、一方的な説明になりがちですが、これなら生徒の反応を見ながらライブで図を完成させていくことができます。

ICTは「手抜き」ではなく「密度の向上」

よくKocriなどのICTは、教員が楽になるだけなのではないか、教員がさぼるためのツールなのではないかとか、生徒が考えなくなるのではないかという指摘がなされます。

しかし、断言します。それは違います。

実際に使ってみるとわかるのですが、生徒に配布したプリントと同じ図を書き写す必要がなくなるということは、その浮いた時間で教員が生徒個々の様子をまわれたり、他の場所にエネルギーを注ぐことができるようになります。 結果として、授業の進度が上がったり、対話が増えて授業密度が増したりするという効果があるのです。

授業が楽になるということはなく、ある意味、生徒一人ひとりと向き合う時間が増えるので、より疲れます(良い意味で!)。 また黒板を使っているので、生徒の理解度に合わせて授業の内容をその場で適切に変化させることも可能です。はっきりいってしまえば、用意した教材は使わないという選択も教員の手の上にあるという、アナログならではの自由度がコクリの大きな特徴です。

メディアでも紹介されました

今週発売のアエラにも、私の授業(夏期講座)の様子が掲載されましたが、同じ記事がYahooNewsにものりましたので、よろしければ御覧ください。

AERA (アエラ) 2016年 9/19号【表紙:防弾少年団】 雑誌

 

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