日本人ができて・フィンランドの教育で、できなさそうなこと
昨年、ぐんま国際アカデミーというバカロレア校にいき、見学をさせてもらったことがあります。全ての授業がオールイングリッシュで、生徒は休み時間には英語しか話していないという、とても不思議な環境でした。小学校から英語教育がはじめるため、中学・高校では英語で話すことがあたりまえになっているそうです。
そんな学校の理科の授業をみていておどろいたのが、生徒の机の上においてあった、「グラフ電卓」です。これは関数電卓+グラフ機能といったような感じで、小さな「Excel」のようでした。ぼくも昔すごい大きなグラフ電卓を持っていたのですが、これは小型で、生徒全員が机の上においてあったのです。
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国際バカロレアの教育では、このグラフ電卓を使うことが一般的となっていることに、驚きました。学校でも1人1つくらいは関数電卓を配布したほうがいいかなとおもいました。
つい先日、次の「受けてみたフィンランドの教育」という本を読んでいました。
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この本はフィンランド教育がどういうものかということを、留学をした実川さんが詳細に書いてくださったもので、教育書というよりは、日記に近いような内容で、とても身近に感じらておもしろかったです。
その中に、なんとグラフ電卓の記述があったのです。
P81
フィンランドの高校では、数学のテストのときに持ち込むものが2つある。筆記用具と計算機だ。
数学のテストには計算機が持ち込めるなんて、夢のような話であるが、事実だ。しかもこの計算機はただ「足す」「引く」「かける」「割る」だけの機能にとどまらない。( )のついた難しい数式も一瞬んいして答えが出る。数式を打ち込み、エンターを押せば、y軸とx軸が現れ、数式がグラフになったりする(なんだか、とても数学ができない人のような説明になってしまったが)。
まさにこれはグラフ電卓です。フィンランドの教育でも、グラフ電卓を使っているということに驚きました。数学の授業にも持ち込んでいいのか、ふむふむ。
そして読み進めていくと、
P82
このように、自分で書いて計算するという行為は高校ではしなくなるため、フィンランド人は暗算が不得意だ、というか暗算をしない。
中略
それほどフィンランド人は暗算をしようとしない。レジでははじめて自分の買った品物の合計金額を知るらしい。
ということで、フィンランド人はすべてがそうなのかわかりませんが、暗算があまり得意ではないそうです。これには驚きました。
日本では、中高生が暗算が全て完璧にできるというわけではなくても、大雑把な計算を頭でやりながら買い物をしたり、○%オフなどは、ざっくりと計算して高いとか安いとか判断をしているのが普通ではないでしょうか。
主婦ではとくにあたりまえのことですよね。
それがフィンランドではグラフ電卓を使いこなしているせいなのか?、暗算は弱いというのだそうです。
日本と欧米の教育またはフィンランドの教育はどちらが優れているというよりも、このグラフ電卓の例に限って言えば、どこを伸ばしたいのかの違いが現れていると思います。
両方を伸ばすことができるのかはわからないのですが、日本として取り入れるとすれば数学の時間では電卓は使わず、理科の時間には電卓を使用する(有効数字の計算など)、使い分けをさせていったりするのも、大切かもしれませんね。
グラフ電卓以外にも、フィンランドの教育の良いところ、日本との違いがいろいろ書かれているこの本、読みがいがあるので教員のみなさんに特におすすめします。
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