スピノサウルス初上陸!15mの恐竜に0.5mまで近づける「恐竜博2016」

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

スピノサウルス発上陸!

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「最強の恐竜は誰だ?」
子どもから大人まで、誰もが一度は考えたことがある、ワクワクする問いではないでしょうか。
陸の絶対王者ティラノサウルスか、それとも…?
そんな太古のロマンが詰まった、上野の国立科学博物館で開催中の「恐竜博2016」に行ってきました!
今回の主役は、なんとTレックスを超える「史上最大級の肉食恐竜」。その驚くべき姿を、理科教師の視点から、写真たっぷりでお届けします!

スピノサウルスが売り!二大巨頭、夢の対決

みなさんはもう行かれましたか? この恐竜博では、「スピノサウルス」「ティラノサウルス」、この二大巨大肉食恐竜を徹底的に比較して展示していることが、最大の「売り」になっています。

期間終了間際はどうせ混みあうと思い、振替休日を使って、平日の時間帯をねらって見に行ってきました。

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入り口にあったのは、「大変混み合っています。」の文字!これはゆっくり見られないのではないか、、、という不安がよぎります。

ワクワクさせる会場の「仕掛け」

中に入ると、まず目に飛び込んできたのは、恐竜たちの「進化系統樹」(生物がどのように枝分かれして進化したかを示す図)をモチーフにした展示でした。なんと中の写真は動画以外は自由にとっていいとのこと。これは嬉しいですね。

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展示をしてあるものだけは、影ではなくてその姿が見えるようになっています(例:ヘテロドントサウルス)。これからどんな恐竜に出会えるのか、影の恐竜たちが期待感をあおる、にくい演出です。

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会場の演出もすばらしいです。恐竜の骨をイメージさせる入り口が、まるでタイムスリップするような冒険の始まりを感じさせます。

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展示の説明板も秀逸でした。小学生でもわかるように、強調する場所は大きな文字で書かれていることや、ルビを細かくふるなどの工夫がみられます。

英語も表記されていました。こうした「ユニバーサルデザイン」の工夫は、子どもから大人まで、誰もが学びやすい環境を作ってくれます。子どもたちも熱心に読みふけっていましたよ。

陸の王者!ティラノサウルスの「謎」

さて、ひっぱりましたが、陸の王者、ティラノサウルスの登場です。

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でかい!すごい迫力!なんと全長約13m。中にはいると混み合っているように見えましたが、まだまだ余裕があり、ゆっくりと見ることができました。平日バンザイ!

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この、すべてを噛み砕きそうな強靭な顎!ティラノサウルスの咬合力(かむ力)は、一説には数トンにも達し、乗用車さえもバリバリと噛み砕けたと言われています。まさに男の子の夢、かっこいい恐竜の代名詞ですね。これが動いていたら…想像するだけで、恐ろしい。

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ところで、皆さんは「ティラノサウルスに毛(羽毛)が生えていた」という話を聞いたことがありますか?ぼくが小さいころの想像図ではツルツルでしたが、最近の研究では、Tレックスの仲間(ユウティラヌスなど)に羽毛が見つかっています。そのため、Tレックス自身も、特に子どもの頃は羽毛に覆われていた可能性が高い、というのが最新の学説になりつつあります。もし知っている方がいたら教えて下さい(^^)

そして、もう一つの大きな謎が、この小さな前足(手)です。 なぜこんなに小さくなってしまったのでしょう?「獲物を押さえるため」「寝た状態から起き上がるための支え」など、科学者たちの間でも様々な説が議論されています。わかっていないことが多いのも、恐竜研究の面白いところですね。

(ゾイドやトランスフォーマーが好きだったことを今更思い出しました。)

日本初公開!水中も制するスピノサウルス

そして今回の目玉は、このティラノサウルスと同じフロアに展示されている「スピノサウルス」です。こちらをご覧ください!

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あら、入っていない!実はこの恐竜、ティラノサウルスを超える体長で、なんと全長約15mもあるそうなのです。だからカメラに収まらない!

頭はこんな感じ。

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どうでしょうか!すごい!

顔に近づいてみると、、、、

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ひえ〜。

触ってはいけませんが、手をのばせばさわれそうな近さまで近寄れました。

ティラノサウルスに比べると、顔はシュッとスリムで、ワニのような感じにも見えます。説明板を見ると、

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日本初公開だそうで、その最大の特徴は「水陸両用」、つまり水中でも生活をしていたことが推測できる点です。

Tレックスが陸の最強ハンターなら、スピノサウルスは水辺の支配者だったのかもしれません。ワニのような細長い口は、魚を捕らえるのに適していたと考えられています。

4足歩行な点も、ティラノサウルスとは違いますね。ティラノサウルスと比べると、後ろ足がきゃしゃですが、前足がしっかりしているそうです。また上についているヒレ(帆)のようなものは、なぜ付いていたのか、機能面などはまだ不明だそうです。

一説には、「体温を調節するためのラジエーター」だったとも、「仲間同士でアピールするためのディスプレイ」だったとも言われています。これがあるからまたかっこいいな〜。

恐竜は「生」で見るから面白い!

その他にもいろいろな恐竜が展示されています。

こんなものや、

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こんなものも!

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恐竜というか鳥により近い感じですね。そう、最新の研究では「鳥類は恐竜(獣脚類)から進化した」ことがほぼ確実視されています。こうした展示は、恐竜と鳥の「つながり」を実感させてくれます。

一部の展示を紹介しましたが、常設展と比べると、Tレックスとスピノサウルスという二大巨頭に焦点を絞った、密度の濃い展示だと思います。

本当にさっとまわれば30分〜長くても1時間でまわれてしまうような内容かとは思います。

それでも、ぜひ会場で「生」を見て欲しいと思います。図鑑やインターネットでは決してわからない、本物の化石が持つ時間の重み、そして何よりその圧倒的な「スケール感」は、生でしか味わえません。その表情や動きなどをイメージできて、とても楽しかったです。

来ているお子さんの楽しそうな様子、ティラノサウルスをみた理系?女の子集団の「かわい〜!」というよくわからない(?)反応に、うれしくなりました。恐竜の魅力は、老若男女、いろんな人の心を掴むんですね。

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