人生は壮大な「実験」だ!『人生ドラクエ化マニュアル』に学ぶ、最強の攻略法【掲載】

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

もし、あなたの人生が「ドラゴンクエスト」のような壮大なロールプレイングゲーム(RPG)だとしたら?

日々の勉強や宿題は「経験値稼ぎ」、苦手な科目は手ごわい「モンスター」、そして将来の夢は伝説の「ラスボス」…。そんな風に考えられたら、毎日の退屈な作業も、少しはワクワクする「冒険」に変わるかもしれません。今日はいつもの科学実験とは少し趣向を変えて、「人生」という壮大な実験をどう楽しむか、というお話です。

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出た!ジンドラ2!

みなさんは「人生ドラクエ化マニュアル」(略してジンドラ)という本を読んだことがありますか? 今日は、この「科学のネタ帳」の運営にも関わる、本の裏舞台も載っている続編「2」についてご紹介します。

(実はお恥ずかしながら、この私、桑子が忙しさで倒れてしまった時のお話なども、事例として載っているんです…!)

この本は、私の友人であり、ドラクエの生みの親である会社の元エニックス社員でもあるJUNZOさんが書いたものです。(以前、本ブログでも紹介しました)「1」の発売後、大きな反響があったため、その第二弾である「ジンドラ2」がこのたび発売されたというわけです。

人生の「敵」を攻略する、具体的な方法

この本がユニークなのは、「なぜ人生はドラクエのように楽しくならないのか?」を真剣に考え、「人生にドラクエの要素(=ゲーム性)を加えれば面白くなる!」という仮説のもと、著者自らが会社を辞めて起業し、人生を「実験」してきた記録だからです。

「1」が理論編だとすれば、「2」は超具体的な実践編。 JUNZOさんが会社を辞めてから遭遇した、リアルな「敵(モンスター)」たちと、その対処法(攻略法)が、ハラハラドキドキする筆致で紹介されています。

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章の扉絵はこのように、モンスターが実際に出てきます。楽しい(^^)

例えば、モンスター「目的は何?」。 これは、「あなたは何がやりたいのか?」という、誰もが高校生や大学生の頃につきつけられる、あの強敵です。この「目的が見つからない」という敵に対し、JUNZOさんは「目的探しのゲームとして捉えよう」と提案します。これ、実は科学の実験プロセスとそっくりなんです。 最初から完璧な「正解(目的)」を知っている人はいません。

例にも出ていますが、ケンタッキーフライドチキンを創業したカーネル・サンダースは、なんと40以上の仕事を転々とし、62歳になって初めて、あのフライドチキンという「天職(目的)」にたどり着いたそうです。これはまさに「試行錯誤」。 「仮説(この仕事が合うかも?)」→「実験(やってみる)」→「考察(違った、なぜだ?)」→「次の仮説」。 この繰り返しこそが、科学の進歩であり、人生の攻略法だというのです。

「目的は何?」と悩む必要はなく、目の前の興味があることに片っ端から手を出してみること。私自身、高校時代、大学時代、そして今も、やりたいことはコロコロ変化しています。 でも、「目的は変わっていい」「夢は今の夢でいい」というメッセージは、進路に悩む皆さんにとって、大きな励みになるのではないでしょうか。

他にも、モンスター「見栄、世間体」や、モンスター「引き寄せ理論」など、人生に現れる様々な敵をバッサバッサとメッタ斬り! 読んでいて爽快ですよ。章の終わりでは、モンスターとその攻略法について、ドラクエ風にまとめてあります。読ませる工夫に驚くデザインです。

「科学のネタ帳」の裏側と、僕が倒れて学んだこと

そして…モンスター「時間ナシ」の章。 ここで、JUNZOさんからインタビューを受け、私の事例が掲載されています。

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詳しくは本をご覧いただければと思いますが、当時の私は本当に「時間ナシ」というモンスターに追われていました。 朝4時半に起きて教材を準備し、ブログ(この科学のネタ帳です!)を書き、本を執筆し…。その結果、肝心の普段の授業ではヘトヘトに。(何のために準備しているのか!)そしてついに、本を1冊書き上げた直後、倒れてしまいました(笑)。

これは「人生の実験」における、明らかな失敗です。 私はこの「実験結果」を受け、1泊2日の旅に出て、自分のやり方を根本から考え直しました。学校に戻ってからは、仕事でパンパンだった状態を改善するため、 ・業務を効率化する(実験器具の配置を変えるなど) ・勇気を持って、誰かにお願いする ・思い切って、重要でない仕事自体を「捨てる」 といった対策を実行しました。

自分が本当に注力すべきこと(=生徒と向き合うこと、面白い実験を考えること)だけを抽出し、ポイントを絞って仕事(人生)を回すようにしたのです。この話は、忙しさに追われている先生方や、勉強と部活でパンクしそうな皆さんにも、何かのヒントになるかもしれません。

「実行」してこそ、人生は変わる

ジンドラ2は、ただ読むだけの本ではありません。 巻末には、なんとカードゲームが付いています。

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自分で切り離してカードにして、毎日引いて、実行していくんだとか。なんだか子供の頃に戻ったようです笑。

科学も同じですよね。教科書を読むだけでは身につかず、「実験」して初めて「わかった!」となるものです。ゆるい雰囲気に見えて、内容は非常に濃い本です。自己啓発本を何冊も読むより、ジンドラを読んで「これだ!」と思うものだけを実行してみるほうが、何倍も効果があるし、前向きになれると思います。ぜひご一読ください。

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