冷蔵庫が実験室に?バネと磁石で描き出す「定在波」(定常波)の不思議な世界
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
ライブ会場でギタリストが奏でる美しい音色や、お風呂場で響く心地よい歌声。これらすべての現象の裏には、目には見えない「波」が隠されています。もし、その波が止まって見えるような不思議な世界を、あなたの手の中で作り出せるとしたらワクワクしませんか?今日は、理科の授業でも大人気の「定常波」を、お家で、しかも一人で簡単に観察できる裏技をご紹介します。
教材用バネで描く「波の芸術」
教材会社で販売されている、波動用実験バネをご存知でしょうか。このバネを使うと、まるでスローモーションを見ているかのように、弦の振動が作り出す「定常波」をはっきりと再現できるので、理科教師としては非常に重宝するアイテムです。通常、この実験は一人が端をしっかりと持ち、もう片方を教師が振るという「二人一組」での作業が必要になります。授業中は生徒に協力してもらって演示をしていますが、ふと「これをお家でもやってみたい!」と思ったとき、相手がいないと難しいのが悩みどころでした。
家庭で一人でも遊べる「科学のレシピ」
実験用のバネは家庭にありませんし、一人で端を固定するのも一苦労ですよね。そこで、同僚のO先生に教えていただいた、家庭で一人でも遊べるようにするための工夫をご紹介します。O先生、素晴らしいアイデアをありがとうございます!
見出し3:科学のレシピ
用意するもの:
バネ(東急ハンズなどで購入可)、クリップ型磁石


近くにハンズが無い方は、ホームセンターなどで手に入る「荷台用のゴムひも」でも代用が可能です。
手順:
① バネの端にクリップ型の磁石をつけます。

② クリップ型の磁石を、冷蔵庫や黒板などに貼り付けます。
この磁石で固定するというのが、もっとも大切なポイントです。 繊細なバネを傷めず、かつ強力に、そして場所を選ばず固定できる。まさにコロンブスの卵のような、すばらしいアイデアですよね!
③ もう片方の端を自分で持ち、リズミカルに振ります。
振る速さで形が変わる!驚きの定常波
実際に振ってみると、そこには美しい定在波が姿を現します。 定常波とは、進んでいく波と跳ね返ってきた波が重なり合って、その場に止まって振動しているように見える不思議な波のことです。ゆっくり振ると、一つの大きな膨らみができる基本振動が現れます。 少し早く振ると、真ん中に動かない点(節)ができる2倍振動、さらに早く振ると3倍振動……。

基本振動

2倍振動
自分の手の振動数(振るスピード)を変えるだけで、波のパターンが次々と変化していく様子は、まるで楽器を演奏しているような感覚になりますよ!
ちょっとした工夫で、物理学がグッと身近になります。 大がかりな装置がなくても、身の回りのものを活用して自然の法則に触れる。そんな体験こそが科学の醍醐味だと私は思います。また別件ですが、こちらのばね、階段から落としてみるととて重面白いうごきをすると子供から教えてもらいました。実際にやってみたのがこちらです。
みなさんは、他にも「波」を使った面白い実験を知っていますか? もし素敵なアイデアをご存知でしたら、ぜひ教えてくださいね!
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