違和感に気づく?「金田一少年の事件簿」と凸レンズ・凹レンズ
ぼくが中学生か高校生のころ、『金田一少年の事件簿』という漫画が流行っていました。この漫画は推理ものに漫画で、高校生が殺人事件に巻き込まれ、その犯人をあばいていくという作品でした。絵がうまく、ストーリーも作りこまれていたこともあり、当時大きな人気を博した漫画でした。ドラマにもなったほどです!
その漫画の中に、次の写真のようなあるシーンが登場します。この写真は同一人物が防犯カメラにそれぞれ別の日にうつったときの様子です。
『金田一少年の事件簿』(講談社)14巻より引用
実はこの人物が犯人で、防犯カメラに映ったこの2つの映像から、何か違和感を感じた金田一少年が、犯人をおいつめていくときに使ったものです。みなさんはこの違和感わかりますか?答えはこちらです。
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メガネが違うものになっている!ということに気がついた人、確かにそうなんですが、実はそこは決め手ではないんです。金田一が犯人にメガネが違っているといったところ、メガネは取り替えただけだと言われてしまいました。実はこの犯人は「かけるはずがないメガネ」をかけているんですね。よく見ると、メガネ越しの顔の輪郭部分が少し違っているのがわかりますよね。
なんと1つは普通のメガネで、もう一つは老眼鏡だったのです。普通のメガネ(近視用)は凹レンズになっています。このため輪郭部分が凹んでいます(右の映像)。それに対して、もう一つの老眼鏡用のメガネは凸レンズなので、輪郭が盛り上がっているのがわかります(左の映像)。
普通の人が、日常から老眼鏡をかけて歩きまわりませんから、これを指摘されて、言い逃れができなくなったのです。実はこの犯人、殺人をするさいに被害者ともみあいになり、メガネが割れてしまったんですね。
そこで被害者がかけていたメガネをかけて、壊れたメガネを現場におきさり、そのままだと被害者のメガネがなくなってしまっていておかしいので、近くにあった水槽を割って、水槽のガラスをごちゃまぜにしてカモフラージュして逃げていたのです。
このお話をしてから、実際に老眼鏡の性質について確かめてみました。
科学のレシピ
用意するもの:老眼鏡(100円ショップで購入)、近視用のメガネ(生徒がかけているものを使用)
手順:
1 近視用メガネをかけている生徒の輪郭を観察する
2 老眼鏡をかけてもらい、その輪郭を観察する
老眼鏡は生徒の人数分を買ってきて、実際にかけて観察してみました。
100円ショップで老眼鏡まで買えちゃうから、高くありませんんね。
その様子はこちらです。
<普通のメガネ>
<老眼鏡>
写真は私です。いかがでしたか?漫画と同じように、輪郭が飛び出たり、凹んだりしているのがわかると思います。漫画の中の物理学、その他にもいろいろなものを集めています。生徒が興味をひくきっかけに、漫画の教材を準備するのも面白いと思います。
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