微積で見るブランコの振動と電気振動【リモート授業】

ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。このサイトで科学を一緒に楽しみましょう。 

 

位置エネルギーから

運動エネルギー

高校物理と微分積分

高校物理の教科書では微積を使わないで説明がなされています。数学の進度の関係もあるため、そのようになっていますが微積をつかって考えたほうがスッキリとわかりやすく説明できることも数多くあります

このコーナーでは微積を使ったほうが良い範囲について、ひとつひとつ説明をしていこうと思います。今回は電気振動についてみていきましょう。

電気振動と微積分

充電したコンデンサーとコイルを接続すると、コンデンサーとコイルの間で電荷が行ったり来たりする電気振動という現象が起こります。この振動は力学の単振動と同じように表すことができ、コンデンサーに電荷が最大にたまった時と、コイルに流れる電流が最大になった時のエネルギーの保存から、高校物理では解かせるような問題がでます。電気振動の周期は次の式で表されました。

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 高校物理の教科書では、このようになりますよ。というようにしか書かれていないのですが、今回はこの振動現象について、単振動の様子と比較をして、微積分を使って考えていきたいと思います。

 電気振動とキルヒホッフ第二法則

あるときにコンデンサーにたまった電荷をQとして、この電荷がコイルに流れ込んで、コイルに流れ込んでいく電流Iが増えていくことを考えます。

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回路に流れる電流の向きを時計回りの回転を正と決めると、キルヒホッフの第二法則から

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となります。

またコンデンサーにたまった電荷がすべて放出されて、極板の電荷が0になっても、コイルの自己誘導という性質によって、コンデンサーの極板からはさらに電荷が運ばれていきます。

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このような状態になったときのキルヒホッフの第二法則を考えて見ると、

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となります(反時計回りに流れる電流の方向を正としました)。2つの式を比べると、同じ式になっているのがわかりますね。

このことから、この式を定数と変数でわけて、単振動のような式へと展開することができます。

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I=dQ/dtより、

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定数×Qの2回微分=-定数×Q

 この式とばねの単振動のときの運動方程式を比較してみましょう。

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定数×xの2回微分=-定数×x

 まったく同じような形になっているのがわかりますね。よってこの場合は電荷が行ったり来たりと単振動と同じように振動をすることがわかります。この方程式は、単振動と同じように解くことができるはずなので、一般解は

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 となるはずです。これを時間微分することによって電流が求められます。

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このようにコンデンサーにたまる電荷が振動をしているので、当たり前ですが、電流も振動していることがわかります。

また微分方程式の電気振動の式①と、ばねの振動の式②の対応関係から、m=L、k=1/Cとなることがわかります。単振動のバネの周期の公式は、

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となっていたので、この電気振動の周期を示す式は、

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となり、電気振動の周期の公式になりました。なおこの周期の式から電気振動の角周波数ωは、ω=2π/Tより、ω=1/√LCとなります。

振幅Aについては、コンデンサーにたまっている電荷の最大値をQ0とすると、この電荷は時刻0のときに電荷Qたまっている状態でスタートしたとすると、上の式③の初期位相δはπ/2となります。

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これらのことから振幅AはQ0となります。

また時刻0のときの電流Iはまだ0になっているはずですが、式④にさきほどの初期値を代入してみると

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となり、たしかにまだ回路には電流が流れていないことがわかります。これらの初期条件をつかって数式をもう一度書き直すと、式3となり、I=dQ/dtなので、式4のようになります。

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Qはcosで、Iはsinなので、このことからコンデンサーにたまる電気量と、コイルに流れる電流Iが位相πずれて振動をしていることが示されました。

エネルギーの保存について

微分方程式の電気振動の式①と、ばねの振動の式②の対応関係から、m=L、k=1/Cとなり、またv=dx/dt、I=dQ/dtの対応関係から、v=I、x=Qの関係がある。

よって力学的エネルギーの保存と同様に電気振動のエネルギー保存式も作ることができる。

 またコイルに流れる電流が最大になったとき、コンデンサーに電荷がたまっていないので、エネルギー保存則から次の式がたてられます。

 教科書によってはこのように電圧の最大値で書かれている場合もあります。

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微積で考えると、途中の様子まで描けるところが面白いですよね(^^)

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