気象好き必読!中高校生にも優しい“気象の原理”の魅力とは?

ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。このサイトで科学を一緒に楽しみましょう。

大学院で学んだ気象学と、科学への熱い想い

こんにちは!僕は大学〜大学院にかけて気象学を専門的に学んできました。でも、生徒たちからよくこんなことを言われます。

「あれ?桑子先生って物理学が専門じゃないの?」

実は、気象学って高校でいう「地学」の一分野なんですが、ここには物理・化学・生物、全ての学問が融合されているんです!なので、僕にとってはものすごくエキサイティングな分野でした。特に、気象学の研究では主に物理を使います。だから今、物理を教えているのも実は全然矛盾してないんです! (;^_^A

気象学のバイブル「一般気象学」と僕の苦労話

僕の学生時代、気象学の研究生活で何よりも頼りになったのが、小倉義光先生の『一般気象学』です。この本、気象学を学ぶ人にはバイブルのような存在で、気象予報士試験を目指す人なら必読書といっても過言ではありません。

でも、この本は大学での「入門書」として使われているものの、内容はとてもハイレベル。高校生が読むにはかなり難しい内容が多く、僕自身も苦労の連続でした。わからないことだらけで、いろいろな先輩に質問したり、他の参考書に手を出したり…。ただ、専門書って高いですよね。当時はお金もなかったので、時にはバイトで資金を作っては本を買い足して勉強する日々でした。

そんな僕の苦労を解決してくれる本が登場!

今回紹介したいのは、僕の友人で気象予報士でもある横川淳先生が書かれた『気象の原理』です!横川先生は以前、『気楽に物理』という本でも大注目された先生。この本では、面白い実験やわかりやすい解説が盛りだくさんで、僕はその内容に衝撃を受けました!今回の『気象の原理』も期待を裏切らない素晴らしい内容で、僕が学生時代に躓いた部分が丁寧に解説されています。

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気象の原理 amazon

読んで「これだ!」と思ったポイント

この本の特に感動した部分をいくつか紹介します!

コリオリ力の説明に19ページも割き、豊富な図解で解説!(P80)

等圧線と等高度線の関係性をざっくり説明!(P101)

例えば「数字の大きいところは気圧が高い」というようなポイントを押さえています。

エマグラム(複雑そうに見える表)の読み方を丁寧に解説!(P148)

学生時代の僕が「ここがわからない!」と苦しんでいたところを次々と解消してくれる本でした。今読んでも「そうそう、これが知りたかった!」と納得する内容ばかりです。

高校生にもピッタリ!気象学への第一歩

この本は高校生にも理解しやすい工夫が満載です。例えば:

運動エネルギーの文字式から説明を始め、状態方程式に進む丁寧な流れ(P13)

圧力のイメージを図解で解説(P60)

どのページも、授業を想定しているような作りで、読んでいて「なるほど!」と思える箇所が多いです。高校生の地学部、気象予報士を目指す方、気象雑学が好きな方にぜひおすすめしたい一冊です。

最後に…次のステップもご紹介!

もし『気象の原理』を読んで気象学にハマったら、次はこちらもぜひ!

グローバル気象学:地球規模で気象現象を俯瞰する一冊

流れの科学:自然現象を流れの視点で考察

昔を思い出して、つい熱く語ってしまいました!(^^)それでは、科学の楽しさに触れる旅をぜひ楽しんでください!

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