これが「反転授業」!2年の実践例を聞いて現場目線の解決に感動!

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反転授業という言葉に踊らされていませんか?

反転授業を実施して2年目を迎える広尾学園の堀内陽介先生の実践報告をきいてきました。

堀内先生の噂は前からきいており、ぜひお話を聞きたいと思っていて、
フェイスブックでお名前をみかけて、突然に失礼だとは思いながらも
連絡をとらせてもらい、上層部の方にも相談をして、
堀内先生の了解もとれて、それがついに「昨日」実現しました。

いや、これが現場目線の葛藤・課題発見・アイデアでの解決
それらがリアルで本当にすばらしかったです

しかも動画、僕作れないよ〜という方も大丈夫。
堀内先生の方法なら、明日からできるかもしれないんです!

反転授業に興味を持たれている方は必見です。
ちょっとまとめて紹介してみますね。

ただし先生が作った配布資料などもありまして、
こちらは現場で配布されたもの・見させていただいたものなので、
ここでは紹介できません。

興味がある方はご自身で連絡をとってみてくださいね。

それでははじめます。

まずはじめに、ぼくは反転授業を「受験指導の一環として」
堀内先生が活用されているのかなと思っていたんですけど、
そうではなかったのです。

堀内先生が授業を反転させよう!と思ったのは、
議論をし、問題を考えていく場を授業で創出していきたいという思いからだそうです。
※ 反転授業って何?という方はこちらをクリックしてくださいね。

つまり「教える」のを授業でなくして、「考える場」への転換を図ろうという試みになります。
だから反転授業はとっても自然な流れだったのだそうです。

受験指導にも利用できるのでしょうが、そういう考え方はここにはありません。

さらには一般的に反転授業といわれている手法に、

堀内先生が独自にいろいろな工夫をして味付けをした上
実施しているところ、生徒がそれについてきているところ
つまり現場の知見がかなり詰まった報告をきくことができ、

身を乗り出してきいていました。
(今回の研究会は運営者側からの参加だったので、座席が後ろになってしまったのが残念!!)

堀内先生は数学の教師なのですが、
先生が行っていたことで一番おもしろかったのは、

動画授業を自分で作らない!

という選択です。

既存にあるものをつかってやっていく、これだから無理がないんですね。
だからやろうと思えば、明日からできるのかもしれません。

まず堀内先生が活用されているのはEDUPAという動画サイトにある数学の授業動画です。

EDUPAにある動画をはじめてみさせていただいたのですが、
動画に講師の顔がはじめにはでてきますが、
基本出てこないパターンで講義がはじまると集中できそうだなというのがぼくの初見の感想です。

ぜひこちらのEDUPAのサイトをごらんください

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さらにここに出てくる講師の先生(長岡亮介先生)が、
結構面白い数学の話題をぽろっぽろっとお話をしていくのが、
無機質な動画授業とは違って、好感がもてますね。

ここには旧課程ではありますが、
数学1A,2B,3Cの全ての授業が見れるようになっているということです。

そして堀内先生がまずはじめに導入にさいして参考にしていた本はこちらの先日だされた
「反転授業」という本です。

反転授業を本格的に実践しているアーロンサムスさんが関わっているし、
必見だということでした。ぼくも買って入るものの、まだ読めておりません。
読まなければ!

先生はEDUPAにある動画を使って、次のような流れですすめているんだそうです。

1 動画授業の番号を指定し、事前に見てくるように指示

2 授業の最初に扱われた内容から小テストを行い、理解度のチェック

3 動画内容をふまえて、標準問題から発展問題まで課題をとかせる

4 すぐに解法が浮かばないであろう本質的な問題を与え、議論させる

※ ここでネット環境についてですが、生徒は自宅かまたは学校で必ず動画をみれるような環境にはあるとのことでした。このあたり検討をしている方にとっては大切なことだと思います。

ここまでは、ああよくあるね!と思う人もたくさんいるのではないかと思いますが、
ここからの堀内先生の反転授業に対する課題とその対策がとっても面白かったです。

反転授業で一番こまるポイントは、生徒が動画を見てこないということにあるそうです。
やはりどうやっても一定の割合で、見てこない生徒が出てくるんだそうです。

そのための工夫の1つが小テストなんだそうです。

動画に関係のある小テストをやったあとにそれを簡単に解説をするんだそうですが、
そこで見てきていない生徒が、動画の内容がわかるよに、そして見てきていない生徒対策だと
見てきている生徒に気が付かれないように(笑)解説をするんだそうです。

この塩梅難しそうですけど、非常に現実的で面白いな〜と思いました。
また動画の中で思わず笑ってしまったことなどをはじめに話すと、
見てきた生徒「そうそう!」となり、見てこなかった生徒は気まずい思いをするのだとか(笑)
目に浮かびますね。

そしてもう一つの工夫、取り組みが「予習ノート」なんだそうです。

予習ノートを動画を見ながら書き込んでくることで、動画をよりしっかりと見て、
さらには動画の流し見の防止、理解定着の助けになるんだそうです。

この予習ノートがあるからこそ、見られるという生徒もいるんだとか。

授業中に配布する問題については、「標準的な問題」から「発展的な問題」など自分のレベルにあって
取り組むことがデキる問題を複数用意するんだそうです。

このことで、やることがない生徒がいなくなるんだそうです。
これは面白かったですね。アーロンサムスさんも取り入れているんだそうです。

また堀内先生の反転授業の目的としては、
受験勉強は関係なくて知識をしっかりと定着させることにある、
また問題に対して複数の解法でアプローチできるようにすることにあるんだそうです。

だから応用的な問題は堀内先生が作ることもあるんだとか。

ただここで面白いことをおっしゃっていました。
それは、小テストを作ること、応用課題ワークシートを作ること、予習ノートを作ること、
そして教師自身が動画をしっかりと見てくること、

これらを合わせると普通に授業をするのに比べてなんと、

「3倍」

は授業準備が必要になるだそうです。

とにく応用課題を考えるのが最も大変で、教員の趣味に走りがちなになるので注意が必要なんだとか。

また今回の取り組みでは自分の教え方で教えるのではなく、
他の人が使った動画授業を使って実践をしているので、
自分で教えることをやめることになり、心理的な葛藤があるのだそうです。

このことに対しては授業の目的・意義をしっかり理解することで克服しているのだそうです。

いや〜現場感覚満点ですっごいおもしろかった。
生徒からの評判も上々なので、大変だけれど、今後も続けていくんだそうです。

素敵な先生ですね。

ぼくもいろいろ動画を作っている段階で、
復習用動画として現在は活用をしています。
もう少し自分でもいろいろやってみよう!そう思えました。

堀内先生本当にありがとうございました。

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