数学ができるのに物理が苦手という生徒はいませんか?
毎年、生徒からよくこんな相談を受けます。
「先生、物理がなぜか苦手になってしまいました。
数学はそこそことれるんですけど・・・」
なるほど、成績を見てみてもたしかにそのようです。普通、物理ができる生徒は数学もできます。
でも数学ができる生徒で物理ができるとは限らないようなのですね。
不可逆変化。
これは物理と数学の違いが関わっている結構深い問題です。
物理は自然現象が先にあって、
それを説明するためにいろいろな理屈を考えて作られているということがあります(例えばホイヘンスの原理など)。
理論的に正しくても、自然現象でないものは、あまり意味がないということになります。
(逆に理論的にありえるときは、その現象がまだ見つかっていないだけということで、予想されたりすることはあります)
対して数学はそうではありません。自然なんてまったく関係ないのです。
そして物理としては、自然現象を記述する上で数学が使える場面が多いだけで、
数学の一部を拝借しているだけで、物理では使えないような奥深いものが数学ではたくさんあります。
物理に戻ると、物理で大事なことは、物体の動きを頭で動かせたり、または静電気の力を立体的に位置エネルギーをつかって考えたり、という想像する力にほかなりません(もちろん原子分野という例外もあります)。
とすると、ですね。数学が得意だけど物理が苦手という生徒のパターンとしては、
イメージする力がまだ弱いということが大いに考えられます。
数式だけで解こうとする。いつも右側を正にして運動方程式をたてようとする、とか。
でもだからといって、想像する力をつけるのは、結構しんどいことで大変なことです。
ではどうやってトレーニングをするかというと
「絵をかくこと」
がもっとも大切だと思っています。
だから授業内でも私の黒板は絵だらけ。机間巡視も絵をかいているかのチェック。
生徒の宿題ノートなどを見るときは、絵を書いているかな?ということを中心に見ていきます。
でもいざ生徒が自分で勉強をしようとおもっていろいろな問題集を開いても、なかなか解説に絵を多様している問題集や参考書はありません。
実はぼくもそこが不満で、「ぶつりの123」という参考書を書きました。そうしたらなぜ絵が少ないのかがわかりました。
絵はスペースをとります。絵はイラスト担当の力がいります。絵を多くすると本は厚くなり、そしてお金がたくさんかかります。
文字なら数行ですみます。というわけで文字が優先されるわけです。
しかし、そんな数学ができて物理ができない人にオススメしたい参考書、あるんですね。それがこちら。
そう、あの橋元先生の問題集なんですね(すみません、だいぶ年季が入っていますが、それだけぼくが徹底的に使ったという証拠です)。
この問題集のすごいところは、問題自体がこんなに薄い冊子になっていて、解説がこんなに厚くなっているところです。
問題編をとりはずすことができます。
そしえその他のページは全て解答にあてられています。
すごい!!
だから解説もなんといっても「絵が多い!」
立体的な図、断面図、絵が多い!
中からと外からの図がわざわざ書いてある!
だから、すっごいオススメです。
もし物理が苦手で、数学はできる!という生徒はぜひ手にとってほしいなと思います。
年季が入っていない普通に売られているものは、こんなデザインです。
2冊にわかれています(丁寧な解答により、2冊になったんでしょう)
おすすめです。ちなみに参考書はこちら。
橋元淳一郎の物理橋元流解法の大原…
センターレベルならぼくが参考書を書いていますので、
あわせて参考にしてください。
文系向け物理参考書を出版しました!
きめる!センター物理基礎【新課程版】
桑子研