【科学解説】ラランド西田さんと感電!?コピー機の秘密は「小さなカミナリ」にあり(映像フカボリ研究所「2度見で開眼」(日本テレビ))
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
冬の乾燥した日にドアノブを触って「バチッ!」、セーターを脱いだら髪が「フワッ」。誰もが経験するこの現象、ただの厄介者だと思っていませんか?実はこの「静電気」、私たちの身の回りにあるコピー機から、なんと人と人との間に走る「火花」まで、様々なドラマを生み出す不思議な力を持っているんです。
先日、そんな静電気の奥深い世界を探求する、とっても面白いテレビ番組の監修・出演をさせていただきました。映像フカボリ研究所 2度見で開眼(日本テレビ) 第2回「コピー機」(9月2日(金)24:35~25:04放送)にて、お笑いコンビ・ラランドの西田さんへの静電気実験の立ち会い・監修、そして放送内容全体の監修という形で関わらせていただき、一部出演もしております。
この番組のコンセプトが本当に素晴らしく、「一見すると全く関係なさそうな複数の面白映像が、科学という一本の線でつながり、世界の見え方が変わる」というもの。今回でいえば、様々な映像が最終的にコピー機の仕組みの解説につながっていくのです。科学を分かりやすく、そして面白く伝えたいという熱意に共感し、喜んでお引き受けしました。
テレビの裏側は、まさに科学実験の連続!
私が実際に収録に立ち会ったのは半日ほどでしたが、その短い時間で本当にたくさんの実験を行いました。ラランドの西田さんに様々な体験をしていただき、その都度、科学的な解説を加えていきました。
しかし、実際に放送で使われたのは、その中のほんの数個。放送されなかった実験もたくさんあるのです。これは、視聴者の皆さんに科学の「一番面白い!」と感じる部分を届けるため、制作スタッフの方々が膨大な試行錯誤を重ねている証拠です。最高の面白さを追求するその姿勢は、まさに科学の探求プロセスそのもの。妥協しないからこそ、心から楽しめる番組が出来上がるのだなと、舞台裏を見て深く感じ入りました。
私自身も、撮影で使われた「帯電ガン」という秘密兵器の威力に驚かされるなど、新たな発見の連続でした。テレビ番組は、やはり多くの時間と費用、そして情熱をかけて作られているからこそ、大きな感動と学びを与えてくれるのですね。
静電気で人間が磁石に!?プラスとマイナスの火花
数ある実験の中でも、特に印象的だったのが、人と人とを静電気で引き合わせるという、ちょっとドキドキする企画です。具体的には、ラランド西田さんの体にはー(マイナス)の静電気を、そして男性スタッフさんの体には+(プラス)の静電気を、それぞれ「帯電ガン」でたっぷりと溜めてもらいます。磁石のN極とS極が引き合うように、プラスとマイナスの電気も互いに強く引きつけ合います。
そして、運命の瞬間。お二人が抱き合った瞬間、「バチッ!」という音と共に電気が流れました。さらに、お互いの人差し指を近づけていくと…なんと、指と指の間に、目に見えるほどの青白い火花が散ったのです!
この火花の正体、実は「小さな雷」なんです。本来、電気を通しにくい空気の壁を、体に溜まった大量の電気が突き破って相手に飛び移る現象。それが、私たちの目には光る火花として見えるのですね。これまで、片方だけをマイナスに帯電させる実験は何度も経験がありましたが、両方をプラスとマイナスに分けて帯電させるという試みは初めてでした。「帯電ガン」を使えば、こんなにもダイナミックで面白い現象が起こせるのかと、私自身が一番興奮してしまいました。
この番組は、私がこれまで監修してきた中でも、科学的な探究心とエンターテインメント性が最も高いレベルで融合した、最高の科学バラエティーだったと感じています。もし番組をご覧になった方がいらっしゃいましたら、ぜひ感想をお聞かせください!
お問い合わせ・ご依頼について
科学の不思議やおもしろさをもっと身近に!自宅でできる楽しい科学実験や、そのコツをわかりやすくまとめています。いろいろ検索してみてください!
・運営者・桑子研についてはこちら
・各種ご依頼(執筆・講演・実験教室・TV監修・出演など)はこちら
・記事の更新情報はXで配信中!
科学のネタチャンネルでは実験動画を配信中!