ホール効果の向きが、+と−で逆になってしまうのですけど…

ケン博士
サイエンストレーナーの桑子研です。 

電流の分野は、実際に導線の中を流れている−の粒子「電子」で考えても、仮想的に「+」の粒子の流れで考えても、電気量としてみると同じ結果になります。これはそれぞれの粒子がお互い逆向きに進んでいるためです。

またプラスの電荷のローレンツ力を考えるときに、+の粒子の場合は、左手の中指を電流ではなく+の粒子の動く向きとして、フレミング左手の法則をつかって力の向きを合わせることができます。−の粒子の場合には、同じように左手をとりあえず粒子の動く向きに向けておき、力の向きを考えた後に、その向きを180°ひっくり返せば問題はありません。

でも、ホール効果を考えるときは違います。

毎年生徒から、

「ホール効果を+の電荷で考えると、電子で考えたときと、電位の向きが逆になってしまうのですけど…。」

というような相談を受けます。

ホール効果を考える場合には、+の電荷で考える場合と、−の電荷で考える場合に、ホール電圧の向き(+や−の貯まる場所)が異なります。左手をつかって確かめてみてください。例えば次のような場合…、

ローレンツ力を考えると…

よって右側にたまるものが異なります。

このように、+、−どちらの粒子もこの場合は右に力を受けて、右側に集まります。そのため、ホール電圧の向きが異なります。

 このことから、問題を解くときには、その問題の条件で与えられた粒子が「+なのか−なのか」をよく確認する必要があります。

 またホール電圧をはかれば、その物質の中に、電子のような−の性質をもった粒子が流れているのか、+の性質を持ったもの(正孔という)が流れているのかが、このホール電圧の向きで確認することができます。

なおホール効果の名前は、(Hall effect)からきており、エドウィンホールという人の名前で人名です。孔を示すHoleとは関係がないので、注意が必要です。

こちらも合わせて確認のために、試してみてください。

正・負どちらのキャリアでも同じ方に偏るホール効果の教材

科学のタネを発信中!

ニュースレターを月1回配信しています。


 

登録はこちらから