難解な交流回路がスッキリわかる!三角関数の合成をアニメーションで紐解く(スクラッチ)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

私たちの暮らしを支える電気。その中を流れる「交流」の世界は、実は波の重なり合いでできています。スマートフォンや家電製品の中にあるRLC回路という複雑な迷路を解き明かす鍵は、数学の三角関数の合成公式に隠されています。しかし、教科書の数式を眺めるだけでは、なかなかその正体はつかめませんよね。今回は、目に見えない電気の動きを視覚的に理解するために、私が作成したアニメーションを交えて、数学と物理がリンクする感動をお伝えします!

電気の世界で活躍する「三角関数の合成公式」

交流理論のRLC回路(抵抗・コイル・コンデンサを組み合わせた回路)を学ぶ際、直列接続や並列接続の計算で避けて通れないのが「三角関数の合成」です。この公式の導き方や図形的な意味を知らないと、「なぜ急にこんな計算をするの?」と迷子になってしまいがちな分野でもあります。

まずは、基本となる公式を見てみましょう。あえて、物理の授業でよく使われる形に合わせて、角度の部分をωt(オメガ・ティー)として紹介します。

三角関数の合成公式

数式の中に隠された「回転」の正体

この数式が一体何を表しているのか、図形的に考えてみましょう。普通のサイン波(sinωt)と比較すると、その面白さが一気に際立ちます。

 の図形的な意味

この図を見ると、合成された波の正体は、半径rでくるくると回るベクトルの影であることがわかります。スタート地点(初期位相)がαだけズレた状態で回転を始める正弦波、というイメージですね。数学の教科書にある静止画ではイメージしにくいこの「動き」を、アニメーションにしてみました!数式がどのようにして波の形を作っていくのか、直感的に理解できるはずです。

こちらからお試し下さい。

https://scratch.mit.edu/projects/303808808/

また、動画でも解説をご覧いただけます。

一歩深く!公式を導き出す数学のストーリー

なぜ、あのような合成公式が成り立つのでしょうか。その裏側には、中学生でも習う三平方の定理余弦定理といった数学の道具たちが活躍しています。

<参考>三角形の合成公式の導出

上の図より

よって、

ここで余弦定理から

を使うと、

となります。

このように、一見複雑に見える物理の現象も、紐解いてみれば美しい数学のルールで記述されています。交流回路という一見無機質な世界が、少しだけ身近に、そして楽しく感じられたら嬉しいです。

サインとコサインの関係についても、ぜひこちらの記事を参考にしてみてください。

https://phys-edu.net/wp/?p=33077

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