ビースピ2台の裏ワザ!運動方程式を視覚化する驚きの実験テクニック(運動の法則)

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

私たちの身の回りにあるすべての「動き」には、実はたった一つのシンプルな法則が隠されていることをご存知でしょうか。重い荷物を押すときの感触や、自転車で坂道を下るときの加速感。これらを数学の言葉で解き明かしたのが、ニュートンの「運動の法則(運動方程式)」です。今回は、教室にある身近な道具を使って、この宇宙の基本ルールを解き明かす実験をご紹介します。

スピードメーター2台が生み出す「魔法」

理科の実験でおなじみの速度測定器「ビースピ(Bee-Spi)」。

通常は通り抜けるものの速さを測る道具ですが、実はこれを2台並べて使うことで、物体の「勢いの増し方」である加速度を正確に弾き出すことができるのです。

やり方はとてもシンプルです。2台のビースピの距離をあらかじめ測って固定しておき、台車の先端に「割り箸」を取り付けます。この割り箸が2つのビースピを順番に通り抜けるようにするわけです。すると、最初のビースピで初速度が、2台目のビースピで後の速度が測定されます。ここからが物理の面白いところで、こちらの式

に当てはめることで、目には見えない「加速度 」を計算で求めることができるのです。実際の実験の様子がこちらです。

「一定の力」という難問への挑戦

この実験で一番のハードルになるのが、台車を「常に同じ力で引き続ける」ということです。手で引こうとすると、どうしても力の入れ具合が変わってしまい、正確なデータが取れません。そこで今回は、「ヤガミの定力装置」というプロ仕様の道具を使いました。これを使えば、実験の間ずっと一定の力を加え続けることが可能になります。

こうした工夫を重ねることで、ようやく自然界の美しい法則が姿を現してくれます。

グラフに現れる「宇宙のルール」

実験では、台車に乗せるおもりを増やして「質量」を変えたり、引く「力」の大きさを変えたりして、何度もデータをとっていきます。得られた数値をグラフにプロットしていくと、驚くほどきれいに

a = k F / m

という関係が見えてきます。これは「加速のしやすさは力に比例し、重さに反比例する」ということを意味しています。17世紀にニュートンが発見したこの ma = F という方程式は、今ではロケットを月に飛ばしたり、自動運転車のブレーキを制御したりするのにも使われています。割り箸とビースピという身近な道具から、宇宙を支配する壮大な法則につながっている。そう考えると、理科室の実験が少しワクワクしてきませんか?

お問い合わせ・ご依頼について

科学の不思議やおもしろさをもっと身近に!自宅でできる楽しい科学実験や、そのコツをわかりやすくまとめています。いろいろ検索してみてください!
・科学のネタ帳の内容が本になりました。詳しくはこちら
・運営者の桑子研についてはこちら
・各種ご依頼(執筆・講演・実験教室・TV監修・出演など)はこちら
・記事の更新情報はXで配信中

科学のネタチャンネルでは実験動画を配信中!

2月のイチオシ実験!梱包材で遊ぼう!

体中に梱包材をはりつけてみよう!

テレビ番組等・科学監修等のお知らせ

書籍のお知らせ

講師等・ショー・その他お知らせ

Explore

  • 楽しい実験…お子さんと一緒に夢中になれるイチオシの科学実験を多数紹介しています。また、高校物理の理解を深めるための動画教材も用意しました。
  • 理科の教材… 理科教師をバックアップ!授業の質を高め、準備を効率化するための選りすぐりの教材を紹介しています。
  • Youtube…科学実験等の動画を配信しています。
  • 科学ラジオ …科学トピックをほぼ毎日配信中!AI技術を駆使して作成した「耳で楽しむ科学」をお届けします。
  • 講演 …全国各地で実験講習会・サイエンスショー等を行っています。
  • About …「科学のネタ帳」のコンセプトや、運営者である桑子研のプロフィール・想いをまとめています。
  • お問い合わせ …実験教室のご依頼、執筆・講演の相談、科学監修等はこちらのフォームからお寄せください。