◯◯菌で放射線を除去する(減らす)のバカバカしさとスケール感
本日は「放射線について考えよう。」の第3回の様子についてご紹介します。このサイトは金髪のロン毛の素粒子物理学社、多田将先生が書かれているサイトで、信頼がおけて、誰でも読める、本になるようなすばらしい質も兼ね備えたサイトです。
知らなかった!という人はぜひ御覧ください。
第3回では、放射線について定量的なお話が出てきました。本質に迫る内容です。
量として理解をするというのが、小さい数字を扱ったり、またゼロがたくさんつくような大きな数字を扱ったりしなければいけないので、実感として持ちにくいところです。ただし、そんな量についても、正確に丁寧に、そしてわかりやすく書かれています。
ぼくが読んでいてはじめに気になったところが、多田先生の次のような指摘。
「放射能がくる」などと表紙に書いてしまうような雑誌は、1文字すら読む価値がないどころか、そのバーコードにすら価値がありません。
という箇所です。かなり厳し目に指摘しています。
放射能は放射線を出す性質のことですので、放射能がやってくるわけがないということ、言葉を丁寧に扱うという大切さを説いています。
また今回高校生にとって非常に参考になるのが、「半減期」についてよくかかれているところです。高校でも半減期はとても重要なところですし、入試でも頻出のところですよね。ただし教科書にあまりかかれていないのが、半減期が短い放射性物質の危険性です。半減期が短いと、放射性物質はどんどん崩壊していくので安全なように思うかもしれませんが、そうではありません。その崩壊時間が早いために、放射線を短時間でたくさんだすので、放射能は大きくなります。
また「EM菌で放射性物質を取り除く」などの(本文中では多田先生は伏せています)、誤った情報についても、細菌と各種放射線のスケールをみればすぐにわかるということが書かれていて、誰もが知っておきたい知識だなと思いました。
さらに、ガンマ線がどれくらい大きなエネルギーをもっているのか?については、次のように日常の光と比較をして説明をしてくれています。
これが普段われわれが目にしている太陽などの光、可視光では、そのエネルギーは2〜3eV程度です。660eVといえば、その200000〜300000倍にもなります。
わかりやすいですね。
このように例え話が多く入っており、読者のほうに近寄ってくれているにも関わらず、正確な情報や、身につけておいたほうが良い知識が自然に身につく作りになっています。毎週金曜日に一章ずつ出てきます。スマホでみると長くなるので、ぼくは紙に打ち出しをして読んでいます。ぜひご一読下さい。編集の高良さん、こんな素晴らしいサイトを紹介していただき、ありがとうございます。
多田先生の本も合わせてご覧ください。一番初めに出たのが、このすごい実験でした。講演にいったこともあり、引き込まれた本です。ご一読ください。
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