インテリアショップで電気の授業?ライティングレールに見る理想的な並列回路
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
みなさんは、普段何気なく使っている電源タップの中身がどうなっているか、想像したことはありますか? 「タコアシ配線は危ない」とよく言われますが、その理由を正しく理解するには、中学理科で習う電気回路の知識が鍵を握っています。 今回は、目に見えない電気の流れを「見える化」してくれる面白い教材と、街で見つけた素敵な実例をご紹介します。
電源タップの中身を「透視」してみよう
タコアシ配線の電源タップの中身は、実は非常にシンプルな構造をしています。こちらのサイトでは、電源タップの内部構造が並列回路であることを視覚的に学べるシミュレーションが公開されています。
下のバーを動かしていくと、少しずつ電源タップの中が透明になっていき……

中身の電線がどのように走っているかが分かります。

ご覧の通り、すべての差し込み口が並列につながっていますね。 実際の電源タップではコードが上部に付いているものが多いですが、このシミュレーションは「電気が分かれて流れる様子」を理解するのにとても役立ちます。
なぜ家の中は「並列回路」ばかりなの?
理科の授業では、豆電球を2つつなぐときに「直列つなぎ」と「並列つなぎ」の両方を学びます。しかし、実生活では直列つなぎで家電製品をつなぐことはまずありません。
なぜなら、直列につなぐと「一つのスイッチを切ると全部消えてしまう」からです。テレビを消したら冷蔵庫まで止まってしまったら困りますよね。 また、並列につなぐことで、すべての家電に同じ電圧(日本では100V)をかけることができます。一つひとつの器具に流れる電流を独立して制御できるのが、並列回路の最大のメリットなのです。
インテリアショップで見つけた「動く並列回路」
授業でこの話をするとき、身近な電源タップを例に出してきましたが、中身が見えないのが難点でした。ところが先日、インテリアショップで「これは分かりやすい!」という理想的な例を見つけました。それがこちらのライティングレールです。

このレール自体に電圧がかかっていて、そこに電球を取り付けると電流が流れる仕組みです。レールに電球を増やせば増やすほど、それらは自動的に並列接続になっていきます。 電源タップと違って構造がむき出しになっているので、電気がどこを通っているのかがイメージしやすいですよね。

並列回路の注意点:タコアシ配線のワナ
ただし、並列接続には注意も必要です。 電球や家電を増やせば増やすほど、それぞれの道(枝分かれした回路)に電流が流れます。すると、それらが合流する大元のコードには、すべての電流を足した大きな電流が流れてしまうのです。
これが「タコアシ配線の使いすぎ」による発火事故の原因です。コードの許容範囲を超えた電流が流れると、熱が発生して非常に危険なのです。便利な並列回路だからこそ、正しく安全に使いたいですね。みなさんの身の回りでも、「これって理科で習ったあの仕組みかも?」という発見があったら、ぜひ教えてくださいね。
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