赤ちゃんは物理学者?絵本の「鏡」で見せる光の実験と脳の不思議!絵本『へんなかお』

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

みなさんは、子供の頃に読んだ絵本を覚えていますか?あるいは今、お子さんに読み聞かせをしていますか? 実は、絵本の世界は科学への入り口でもあります。今日は、我が家の本棚と私の思い出から、科学の芽を育む絵本の魅力についてお話しします。子供が生まれてからというもの、絵本が少しずつたまっていき、こんなにも増えました。まだ0歳なので、文字を読むことができないのですが、最近は絵本を自分で開いて見るようになりました。

赤ちゃんは「顔」がお好き?脳と絵本の関係

0歳の子供の好きな絵本は、「はらぺこあおむし」と、「へんなかお」という絵本です。はらぺこあおむしは言わずとしれた名作ですが、「へんなかお」というのは、とにかく動物が変な顔をして終わりという、大人からすると「これでいいの?」と思ってしまうようなシンプルなものです。

へんなかお(amazon)

でも、これがまた面白いらしくて、勝手に広げて読んでいるから驚きます。 実は、人間の脳には生まれた直後から「顔のような図形」を優先して認識するプログラムが備わっていると言われています。だからこそ、ストーリーがわからなくても、動物たちのユニークな「顔」に強く惹きつけられるのかもしれませんね。

鏡を使った「光の実験」と自己認識

またこの絵本には仕掛けが一つあって、最後のページに鏡がついています。そして、「あなたの変な顔も見せてね」みたいなことがかかれていて、このページがまた好きみたいです。

自分がそこに映ると「ニヤ!」。

自分だということに気がついているのかはわかりません。一般的に、鏡に映った姿を自分だと認識できるのは、1歳半から2歳頃だと言われています。今はまだ、動く不思議な何かが映っているのを楽しんでいるのかもしれません。そこで、理科教師としては実験したくなります。 ぼくがこの鏡を45度にして、ぼくの顔が鏡越しに見えるようにして、おいて、話しかけたりしています。

すると「ニヤ」。

これは潜望鏡などにも使われる「光の反射の法則」の応用です。鏡の角度を調整して、光の道筋を変えているわけですね。 物理の法則がわかったりしないかななんて期待しているのですが…、わかっているのか、いないのか。小さな頃からの体験の総量が、将来の自然観察や物理への興味につながるかなと思っていますが、おぼえているのかな。

科学の原点となった「もぐら」の物語

実際にぼくが鏡や自然を好きになったのは、こちらの絵本を読んでからでした。チェコのキャラクターの「クルテク」の物語です。

本屋でみつけたとき、なつかしくて、買ってきました。

もぐらが、「ポケットがたくさんついているズボン」が欲しくなり、生地から作り出すというものです。 これ、実はすごい「ものづくり」の科学絵本なんです。

生地を手に入れるために、まず「亜麻(あま)」という植物を育て、それを収穫し、糸にして、布を織り、染めて、裁断して、縫う。この一連の工程に、カエルが亜麻を水に浸したり、コウノトリが茎を砕いたり、クモが糸を紡いだりと、様々な生き物が特性を活かして協力してくれます。

「服は植物からできている」ということや、「各生物の生態」が物語の中に自然に組み込まれていて、それがまた面白かった。実際にでかけて探してみたり、図鑑で確認したりしていました。

また出来上がったズボンにもぐらくんが「鏡のかけら」を入れているのですが、この「鏡」が欲しかったのもよくおぼえています。この絵本から、昆虫が好きになったり、光を反射する鏡が好きになったしたことを思い出しました。

絵本は、ただの空想の世界ではありません。そこには、自然の仕組みや光の不思議など、科学のタネがたくさん隠れています。 みなさんはどんな絵本を読みましたか?おすすめできる絵本があったらぜひ教えてください。

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