参考書には書いていない!波で8割の生徒がつまずく思い込み

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波の授業でもっとも混乱をするのは、波の動きを勘違いしてしまうことです。今回は参考書には初歩的すぎて?なのかわかりませんが、なかなか書いていない、けれども非常に重要なつまずきポイントの紹介です。

たとえば次の問題を考えてみましょう。

Q ある原点で振動をはいじめた波の4秒後の姿が次の図です。次の1秒後に、波は2m動きます(v=2m/s)。この1秒後の波の様子を書きなさい。

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すると、多くの生徒は次のような答えを書きます。

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このようにもし書いていたら、ぜひ記事を読んでみてくださいね。

なぜこのような勘違いをしてしまうのかというと、教師が黒板に波をかくときに、どうしても生徒はその教員の手元をみて、波がくねくねと進んでいくように見えてしまうからでしょう。

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ノートにうつしとっていくと、何度説明を聞いていても、波もこのようにくねくねと、描くように進んでいくと体で覚えてしまうのだとおもいます。私も忘れてしまいましたが、おそらくはじめのころはこのように勘違いをしていたかとおもいます。

正しくは、このように波の形、全体が進んでいきます。

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この勘違いは次のような問題でも間違いのもとになります。たとえば、

次のx=0、x=2の媒質はどちらに動いていますか?

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この問題を授業で問うと、

x=0の媒質は下に、x=2の媒質は上に動くという答えが8割以上でてきます。

しかし実は、x=0の媒質は上に、x=2の媒質は下に動きます。この間違いはx=0の媒質は次に谷があるからペン先が下にさがっていくので、下に、x=2の媒質は次に山があるから、ペン先が上にあがるので、上にというところから間違いがきているようです(当初なぜこんなに間違えるのかわかりませんでした。ここに気が付いたときに、あ!自分も当時は同じ間違いをしていたな!ということに気が付きました)。

ただしくは、その逆になるというわけですね。少し先の波の状態を描くとよくわかります。

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ただし、y-tグラフに関しては、実際にペン先の動きは媒質の動きと一致しているところがまたわかりにくいところです。

波動分野はとくに、このはいじめのところでつまずきやすいので、ぜひ学校の授業をよくみて、先生方が見せてくれる波の動きの実験や動画などを頭に叩き込んでくださいね。

動きがあるので本をよんでもわかりにくいし、またなかなか一般的な参考書には書いていないことので注意が必要です。

PS 波動だけの参考書を昔書きましたので、もしよかったらお読みください。センターの範囲は変わっていますが、中身は今でも使えるはずです。

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