NSA第3回!100均グッズとタブレットで視覚化!目に見えない「波と音」の正体に迫る実験10選
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
「波」や「音」。普段なにげなく感じているけれど、その正体を目で見たことはありますか?教科書だけで勉強していると、数式ばかりで少し難しく感じてしまうこの分野。でも、実は身近な道具とほんの少しの工夫で、目に見えない波の姿がハッキリと浮かび上がってくるんです。

ナリカ・サイエンスアカデミー(NSA)の前期最終回が、7月8日(金)に開催されました!
http://www.rika.com/nsa/teacher
ご参加くださった先生方、本当にありがとうございました。期末試験や成績処理でお忙しい時期にもかかわらず、多くの方にお集まりいただきました。会場は科学好きの熱気に包まれつつも、非常にアットホームな雰囲気。私自身も会話を楽しみながら、実験のノウハウをご紹介することができました。この記事では、当日実際に行った「安くて・簡単で・感動する」波動・音波の実験アイデアを一挙にご紹介します。
タブレットを使った定常波の観察
まずは、波の基本「定常波」の観察です。 通常、学校の実験で使う「ウェーブマシン」や専用のバネは高価で、生徒全員の分を用意するのは難しいですよね。そこで、タブレットの活用です。
100円ショップなどで手に入る安価な素材を使っても、タブレットのカメラ機能を使えば世界が変わります。スローモーション撮影やコマ送り再生を駆使することで、一瞬で消えてしまう波の形を、手元でじっくり何度も観察できるのです。
波の合成まるわかり!(波の性質:重ねあわせ)
天井からホースをぶら下げて、ダイナミックな定常波を作ってみましょう。「ただのホース」では軽すぎてうまくいきませんが、ある工夫(中に詰め物をする等)をすることで、美しい波が目の前に現れます。
また、波の「重ね合わせ」も重要です。右からの波と左からの波がぶつかったとき、どうなるか? これも高価な実験用バネは不要です。身近なあるモノを使い、タブレットで撮影することで、「波が重なって大きくなる瞬間」や「すれ違って抜けていく様子」を鮮明に捉えることができます。
ストローすだれ横波発生装置
理科室にある立派な「波動実験装置(すだれ)」は、演示実験には最高ですが、生徒一人ひとりが手にとって触ることはできません。 そこで登場するのが、ストローで作るミニ波動発生装置です。 セロハンテープとストローだけで作れるこの装置。端を弾くと、波が生き物のように伝わっていく様子に、大人も思わず見入ってしまいます。
スリンキーを使った縦波発生装置
波には「横波」と「縦波」がありますよね。横波はイメージしやすいですが、音などの「縦波(疎密波)」は理解が難しいものです。 おもちゃのバネ(スリンキー)を使っても、普通にやると摩擦でうまくいきません。しかし、床から少し浮かせるなどの一工夫を加えるだけで、驚くほどきれいな縦波が走り抜けます。「密」の部分が移動していく様子は必見です。
弁当フタで3次元!y-x-tグラフ
高校物理で多くの生徒がつまずくのが、「y-xグラフ(ある瞬間の写真)」と「y-tグラフ(ある一点の歴史)」の違いです。 これを解決するのが、なんとお弁当の透明なフタ! フタを何枚も重ねて3Dモデルを作成することで、時間とともに波がどう進むかを立体的に理解できます。「時間は奥行きなんだ!」という気づきを与える、画期的なモデルです。
イージーセンスを用いたうなりの観察(うなり)
「ウォン、ウォン、ウォン…」という音のうなり。 ナリカの計測機器「イージーセンス」を使えば、目には見えないこの現象をグラフとして可視化できます。通常は高価なオシロスコープが必要な実験ですが、最新機器ならもっと手軽に、時間間隔の短い繊細なうなりまで演示が可能です。
音の3要素の確認(音の性質:音の3要素)
「大きさ」「高さ」「音色」。音の3要素を目で確認してみましょう。 おんさの純粋な音と、ギターの音をタブレットの波形アプリで見比べてみます。すると、ギターの波形には、基本の波に加えて2倍、3倍といった細かい振動(倍音)が混ざっていることが一目瞭然。「音色」の違いが、実は「波の形」の違いであることを実感できます。
様々な音の干渉実験
コンサートホールで「席によって音が聞き取りにくい」ことがあるのはなぜでしょう? スピーカーとサウンドジェネレーターアプリを使って、教室全体を使った音の干渉実験を行います。歩き回ってみると、音が大きく聞こえる場所と、嘘のように消えてしまう場所があることに気づきます。これぞまさに、音の干渉(強め合い・弱め合い)の体験です。
共鳴板の役割
オルゴールのメカ部分だけを鳴らしても、音はとても小さいですよね。 ここでは「振動スピーカー」を使い、机や箱など、当てるものによって音がどう変わるかを実験します。さらに、簡単に工作できる驚きの共鳴グッズもご紹介。子どもたちが「なんで音が大きくなるの!?」と目を輝かせる鉄板ネタです。
らくらく気柱の共鳴実験(閉管の振動)
最後は、音速を求める実験です。 アクリルパイプとiPadの発振アプリを使えば、水を使わなくても簡単に気柱共鳴(閉管)の実験ができます。「音が大きくなった!」という共鳴点を見つけ出し、計算すると……見事に実際の音速に近い数値が! 数学と理科がつながる、感動的な瞬間です。
いかがでしたでしょうか。 「波」や「音」は、目に見えないからこそ、工夫して可視化できたときの感動はひとしおです。ぜひ、先生方の授業や、ご家庭での自由研究などで試してみてください!
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