冷や汗をかいた!教える時、こんなミスをしました。
自分ばっか話している、こんなミスありませんか?
学校の教師はほぼ毎日生徒から様々な質問を受けます。この質問攻撃が一番すごくなるのが、テスト前です。
テスト1週間前ともなれば、毎日のように昼休み、放課後と生徒の質問攻めにあいます。
結構辛いのですが、この質問攻めにあうことで、どうやって教えればいいのかを学ぶことができます。
瞬間的に答えられなければたくさんの生徒を裁くことができませんし、自分の知識の曖昧さも露呈されるため、とてもいい学びの場となります。
そんな質問攻めの中では成功もあれば、失敗も多くあります。先日失敗した例をここで紹介したいと思います。
ある生徒が質問にきました。内容としては物理の熱力学というところの定番の問題の質問でした。
「なんでこの質問では内部エネルギーの公式を使ってはいけないんですか?」
という質問でした。この質問は定番の質問だったので、アンテナが反応しました。
「これはこの状態Aのときに状態方程式を使って温度を求めて、状態Bのときには・・・(中略)・・・、というわけでこうなるんだよね」(6分くらいかかりました)
そして説明が終わり、生徒のノートをみてどこで間違っているのかを考えようとしたとき、説明した計算を生徒は全部していることに気がつきました。
「あれ!?出来ているじゃない!」
「ああ、そうなんです。私が知りたかったのはなんで内部エネルギーの公式がこの問題では使えないのか?って思って・・・」
「ああ、それは問題文に「単原子分子」ってかいていないからだよ」
「そうなんですか、ああ、やっとわかりました。」
といって、そそくさと教室に戻っていきました。
え!5秒で終わる質問をぼくは8分もかけて答えていたのか!?まとはずれな答えを!
と思って愕然としました。
生徒がぼくの独演を聞いていたとき、たしかに変な顔をしていたのです。知っている、知っている、それはわかっている、このあとに聞きたい答えについて先生が答えてくれるかもしれない、もう少し聞いていよう・・・。
そう思って聞いていたに違いありません。
そして6分も聞いて、答えが出てこなかったのです。生徒の言葉でいえばなんて「うざい」時間だったのでしょう。
ぜんぜんこの先生、私の話がわかっていない、と思ったのではないかと思います。
女子校とは怖いもので、こんな失敗をするともうその子は話しかけてくれなくなる可能性があります(この子は違いました)。
この失敗の経験は、教えるときにいかに言葉のキャッチボールが大切なのか、を教えてくれます。
ぼくがしてしまったことは、質問を聞いた瞬間に、相手の聞きたいことをパターン化し、決めつけ、それに対する適切な答えを「勝手に」はじめて、なおかつ途中で生徒に確認をとらなかったことにあります。
どうしても「教える」ことは、教師が一方的に話しをして相手を「説得」することととらえがちです。またとらえていないとしても、説得になってしまうことがあります。
何かを教えるときには、教えてはもしかしたら聞き手よりも話をしてはいけないのかもしれません。
少し説明するごとに、
「○○だよね?ここまではどう?」
「この部分はわかった?」
などと確認をはさんだり、
「○○について知りたいんだよね?」
とはじめに反復したり、相手に話しをふりながら、教えていけばいいのです。
わかっていても、時間がなかったり、忙しかったりすると説得しがちになります。心を落ち着けて、本当に相手の気持ちになって説明をすることが常に求められます。
今日のオススメ
教え方の本の中でめちゃくちゃかわっていて、面白い本がこちらです。
ディジタルネイティヴのための近未…
Marc Prensky, …
何回も読みました。参考になります。
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