赤外線は「見える」「聞こえる」!?〜リモコンを使った手軽で不思議な実験〜
赤外線は「見える」「聞こえる」!?〜リモコンを使った手軽で不思議な実験〜
テレビやエアコンのリモコン。私たちの日常生活にすっかり溶け込んでいますが、あれがどのように情報を送っているか、改めて考えたことはありますか?実は、リモコンの先端にある“電球のような部分”から発せられているのは、赤外線です。
赤外線とは、その名の通り「赤の外側の波長」の光。つまり、人間の目には見えない光です。でも、なんとこの赤外線を“目で見たり”“耳で聞いたり”することができる、ちょっと面白い実験があるんです。
■ 実験1:赤外線を「聞く」
●準備するもの
• 太陽電池(小型でOK/秋月電子などで数百円程度)
• ステレオミニジャックまたはイヤホンのコードを分解したもの
• ラジカセやアンプ付きスピーカー(外部入力端子付き)
●方法
1. 太陽電池の+−端子に、ステレオミニジャックのケーブルを接続します。
2. ケーブルをラジカセの外部入力端子に差し込みます。
3. ラジカセの音量を最大に設定。
4. 太陽電池に向かってリモコンをかざし、ボタンを押してみます。
すると……「ガガガッ」「ダダダ」「ジッ」といった不思議な音が!
これは、赤外線が太陽電池に当たって発電し、その微弱な電流がアンプを通して音になるからです。赤外線が“見えない光”であることに加え、“電気として検出可能なエネルギー”であることが体験的にわかります。
授業では光の性質とエネルギー変換(光→電気)を結びつけて紹介でき、学習の幅も広がります。
■ 実験1:赤外線を「見る」
●準備するもの
• 赤外線リモコン(テレビやエアコンのものでOK)
• デジタルカメラ、またはスマートフォン(インカメラではなく外カメラを使用)
●方法と原理
1. カメラを起動します。
2. リモコンの先端をカメラに向け、ボタンを押してみましょう。
3. 画面越しに、リモコンの先端がピカッと光るのが見えるはずです。
これは、カメラが赤外線を可視化できるセンサーを持っているため。
つまり、私たちの目には見えなくても、カメラを通せば“赤外線の点滅”が見えるようになるんですね。
しかもその点滅は、情報を送っている信号でもあります。
授業では「赤外線=見えない光」と教えるだけではなく、このように実際に確認できる手立てがあると、生徒の理解がぐっと深まります。
■ 授業での活用のポイント
• 「赤外線は見えないが存在する」という実感が得られる。
• デジタル機器を活用することで、科学技術と日常生活の関係が伝わる。
• 太陽電池の実験では光→電気→音というエネルギー変換の導入にも最適。
生徒にとっては「え、リモコンの光って見えるの?」「音が出るの!?」という驚きがあり、導入実験としても本時のアクセントとしてもおすすめです。手軽な材料でできるので、理科室にストックしておくと便利ですよ!
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