マニアの罠にハマる前に!心がけている1つの工夫

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誰にも伝わらない。

そんな失敗がたくさんあります。

気を抜くとマニアックになっているぼくがいます。

授業をするとき、本をかくとき、気をつけていることについて

書きました。

ぼくたちは、マニアック。

ぼくがいつも気にしていること、それは

 マニアックになるな!

 ということです。

 

授業をやるとき、

人と話す時、

本をかく時、

 

そんなとき、ふと気を抜くとマニアックな道に突っ走っている自分にハッとします。

 

例えば授業も務めた当初、ぼくは非常にマニアックでした。

自分の説明にも自信があったぼくは、

微積分を必要もないところで使ったり、

専門の気象学とからめて物理を教えたりしていました。

 

マニアックで、生徒からのクレームも多かったと思います。

すっごい下手くそでした(今も変わらないというのはさておき)。

 

だからはっきりいって、うぬぼれが強かったので、

大学の同級生にも、教師になることをとめられていたりもしました。

 

また実は拙著『ぶつりの1・2・3』は、

当初『初心者のための物理』というタイトルで、

出版社に持ち込みをしていました。

 

この原稿をいま見ても恥ずかしいし、驚いてしまうのですが、

誰に向けて書いているのかがさっぱりわかりません。

 

が〜ん

 

そして自分が気象が好きなので、気象の話がところどころに入っていて、

どんな人がこの本を買って読むのかがよくわからない。

こりゃ駄目だ!と頭をかかえます。

 

いわゆるマニアの本、自分で書いた自分のための本になっていました。

これでは企画が通るはずがありません。

 

そこでこれを抜けだしたのが、生徒との出会いでした。

 

この本は実は、学校ではたらいていたからこそ、

目の前に悩んでいる生徒がいたからこそできた本で、

 

いつも眉間にシワをよせて授業をきいていた、

あのSさんと、Kさんと、Tさんの顔を思い浮かべて、語るように書いた本です。

 

そうしたら非常に評判がよく、初めて書いた本で、増刷がかかりました。

amazonでの感想 読書メーターでの感想

 

そうか、「誰かのために授業をしたり本をかくんだ!」という、

あたりまえのことがわかった瞬間でした(務めてから2年かかりました)。

 

そして授業も、寝ている生徒が喜ぶ授業、寝ている生徒に響く授業を!

ということで、毎日何か手作りの実験道具をもっていっていくようになりました。

 

またその後、昨年6月に出した『大人のための高校物理復習帳』は

非常に苦労をしました。構想から出版まで1年以上かかってしまいました。

 

はじめての一般書で、生徒に向けてかく本ではなかったからです。

どうしても読んでいる相手がイメージできなかったのです。

いろいろ原稿を書き始めて、編集者のSさんに言われたことは、

微積分って、ここではひつようなんでしょうか。

でした。

 

何やら微積分が使えるぼく偉いんだぜ!みたいなアホな考えが見透かされたような気がして、

ああ、これはだめだ。と愕然としたのをおぼえています。

 

そこで試行錯誤する中で、やっとイメージできたのが、

 

「高校時代に物理が大の苦手で、でもわかるようになりたかった文系の今は大人の40代の人」

 

でした。ああ、これはお世話になっているあの人だ!と思い、その人に届けるために文章を書き始めたのです。

 

このイメージできてからは原稿がどんどんすすんで、なんとか出版できました。計画から1年以上たっていたとおもいます。非常に苦労をしましたが、出した後の評判は今のところ良い感じです。

amazonでの感想 読書メーターでの感想

 

そんなマニアックにならないように注意をして書いているのが、

今取り組んでいる「おじさん先生と考えるiPad教育活用術」という連載です。

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これもICTが苦手なおじさん先生といっしょに話しながら行った取り組み

メールの往復書簡などの内容などをもう一度読みながら、

おじさん先生を意識して書いています。

 

きっとこの連載も、あのおじさんのために書いたから、誰かにきっと届く!と確信をしています。

また実はこちらの動画講義作成講座に使われるマニュアルを作りました(※1)。

これもあのおじさん先生に教えた時のものを下地として書いています。

 

でも、やっぱりマニアックになりそうに今でもなります。

それは自分がかなりいろいろな分野に興味をもってしまい、追求をする癖がある、

マニアックだからこそなのですが、伝わらないことがたくさんあります。

 

そんなときは常に、誰かの顔をイメージするようにしています。

身近なあの人が喜ぶものをつくろう

 それがマニアックから抜け出すための、ぼくが心がけている工夫です。

 

みなさんはどんな工夫がありますか?もしあったらぜひ教えて下さい!

 

※1 動画講義作成講座は、動画講義のプロである先生方が集まっているので、

ぼくが動画講義を作り始めたときのように、なにがどうわからないのかがわかる人たちが集まっています。

気になる人は、田原先生や古山先生にお問い合わせ下さい。ぼくも初心者の一人として参加します。

 

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