伝わる授業のコツは「作り方を作る」にあり!佐藤雅彦さんの例
あなたは授業の作り方を毎回考えていますか?
まずはとにかくこちらを御覧ください。
ピタゴラスイッチやだんご3兄弟でおなじみの
佐藤雅彦先生のインタビューです。
教育をやっている人にとって非常に参考になります。
ぼくはもう何度も見てしまいました。
佐藤先生は、どうやったら伝わるかを常においもとめてきたそうです。
見ている人が、主体的に理解する、主体的に解釈する、そういうような
視聴者の主体性を考えてCMを作ったりしてきたのだとか。
そしてそのようなインパクトのあるCMを作るコツは、
視聴者が「新しいわかり方だ」と思えるような、なんらかのジャンプが必要なんだとか。
毎回のジャンプ。
今まで誰もやったことがないこと。
まだ言語化できていないもの。
それが大切なんだと。でも、ジャンプは難しいともいいます。
誰もが簡単にできたら、たしかにジャンプとはいわないのかもしれません。
そのジャンプをするコツは、うまく待つことだそうです。
見過ごさないように、
当たり前だと思っていることは、必ずしも一般的には当たり前ではないかもしれない。
無数の場合の組み合わせを行う。
頭のなかでガチャガチャ入れ替える、組み直す。
そういったことがジャンプをするためのヒントになるそうです。
とくに感銘を受けたのが次の言葉です。
そのまま引用しますね。
「この数学的な考え方、物理の考え方は、なんか面白そうな雰囲気である」
という「たたずまい」を出してないと中学生でも高校生でもね、挑んでくれないんですよね。
そういう「たたずまい」別の言い方で言うと「表現」なんですけど、
そういったものを作るときに「こうだからこう、こうだからこう、こうだからこう」
という通り一遍のことをやると、それはやっぱりそういう「たたずまい」を持たなくて、
そんなに挑んで本格的にその問題と格闘する価値があるかどうかっていうと、
それは見透かれてしまうんですね。「これはきっと普通にやれば解ける」っていう。
そうじゃなくて、こちらもさっき言ったように、何らかの発見・ジャンプを
そこに入れた時にそういう「たたずまい」が持てるので、
そこを必ずそういうものを入れようとしてますね、どんなものでも。
なるほど〜。よくある教科書は、
こうだから、こう、こうだから、こうというような、
ある決まったパターンで書かれていますが、
よくわかる参考書だとか、よくわかる教え方って違いますよね。
たたずまいが、人と伝えることをつなげる1つのポイントだということです。
なるほどなっとく、ピタゴラスイッチや考えるカラスをみれば、
佐藤さんがやりたいと思っていることが、またよくわかります。
その他にも作り方を新しくすると、新しいものができるということも繰り返し述べていました。
CMを作るときには、どうやったら他の人に伝わるか、どうやったら15秒で伝わるかを意識をして新しい作り方に取り組むんだそうです。
例えば「カローラ2にのおって〜買い物に出かけたら〜」というCMは、
音がはじめにあってそこから映像を作ったそうです。
またバザールでござーる、だんご3兄弟などは濁音を多く入れることが面白くなるコツという発見から、
濁音を意識して作ったんだそうです。
つまり佐藤さんがつくっていたことは、「新しい表現方法」であり、「作り方を作る」という活動だったんです。
新しい作り方を作る、それは「なんか違うぞ!」になる。だから「作り方から作る」。
授業もそういった要素が必要なんじゃないのかなって思いました。
最後に佐藤さんが私達に向けてメッセージを送ってくださっていますが、
夢中になる、集中することをなんでもいいからやってほしいということでした。
野球でも、なんでもいいそうです。
夢中になった経験があると、何が本当におもしろいのか、何が本当にいいのかがわかるんだそうです。
本当のものを見つけることができる力がもてる。それが夢中になることの大切なところです。
なんて素敵なインタビューなんでしょう。何度も何度もみたくなりました。
今日のオススメ
佐藤さんの作品でもっとも面白いなって思うのは、
日常にひそむ数理曲線です。
ぜひみなさん買ってみてください。
あとは個人的にピタゴラスイッチを生徒と作ったことがありあす。
何度も失敗して、なんて大変なんだ!と強く思いました。
ぼくとしての作り方を作るの解答は、「ぶつりの123」からはじまって、
「きめるセンター物理基礎」の流れの中に入れてあります。
おかげさまで伝わるということについては、少しずつうまくいくようになってきましたが、
まだまだつきつめていかないと!と思いました。
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