月から岩石が降ってきた?!高校物理で楽しめる月の独立戦争本

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今回はSF小説の紹介です。

それがこちらの本。

月は無慈悲な夜の女王
早川書房

この小説は、機動戦士ガンダムのスペースコロニーという衛星を地球に落とすというアイデアの

元ネタにもなった作品です。いつかは読みたいと思っていたのですが、とうとう手に入れて

電車で読み始めまして、先週読み終わりました。

 

これメッチャクチャオススメです!!

若干のネタバレになりますが、ご了承ください。

 

−−−

 

簡単にストーリーを紹介すると、

月を人間が住めるような環境にした地球の人々は、

地球で犯罪を犯した人々を月に送り込みます。

まるで島流しのようです。

 

そんな月に住む人々は

月の表面では放射線や温度の関係から住むことができず、

月の中に地下都市をつくって住んでいます。

 

そして地球へ向けて月で作物を育てて、輸出をしています。

実は月は一種の地球の植民地のようなものです。

 

もともとはあれくれモノの犯罪者を管理するために、

地球の政府は月を管轄するための「行政府」を置いています。

 

行政府には、長官と超高性能の地球の政府所有のマスターコンピューターがあり、

月の温度や気圧の管理をはじめてとして、電話網や税金の計算など、

様々なことを処理しています。

 

このコンピューターがあるとき意思を持ち始めて、

修理にきた月での技術者の主人公に話しかけてきます。

 

このコンピューターをうまく利用して、

地球の奴隷である月の人々が立ち上がり、

地球への独立戦争へと進んでいきます。

 

・・・

 

とこんな内容なのですが、面白そうでしょう!

そして物語の終盤では、なんと地球に対して月は

大きな位置エネルギーを持っていることから、

月から岩石を地球に向かって射出機をつかって飛ばして、

地球の都市を攻撃していきます。

 

物理的なこの方法に、感動しました。

 

この本、すっごいリアルに、まさに作者のハインラインさんが、

未来を見てきたかのように細部まで細かな記述があります。

 

そして月の人間の中には政府のスパイがいたり、

また個々人の利益のために、一致団結できずに苦しんだり、

またスパイを生かさず殺さず利用するという手法など、

もう現実世界のようです。

 

またさらに物理の要素もしっかり考えれて入っているんです。

例えば、

 

「送り出される荷物が秒速11キロメートルを超えて動く射出出口は・・・」

 

という記述があるのですが、これは第2宇宙速度の地球の重力圏を脱出するための速度のことです。

地球から月へ向かって荷物を送る場合についての記述です。考えられています。

 

また

「脱出速度はベェクトル量ではなく、スカラー量なのです。

射出機から脱出速度で飛び出す荷物は、その方向がどちらへ向いていようと地球へ戻りません。」

 

なんて記述にもドキドキしました。まさにその通り!リアルですね。高校生なら宇宙速度の知識があると

きっととても楽しめるでしょうね。これだからSFは面白いです。

 

この本が読めたのも、キンドルという電子書籍端末を買ったからです。

キンドルなら厚い本でも軽く持ち運べるからとっても便利でした。

ぼくは電車の中とお風呂の中で使っています。

 

 

もちろん今読んでいるウォルト・ディズニーの伝記などの、

絶版本などはてにはいりませんが、

結構SF作品もキンドルで読めるのでオススメです。

Kindle Paperwhite

目がいたくならない電子ペーパーもステキ。もしよかったらクリスマスに

お願いをしてみてはいかがでしょうか。

 

月は無慈悲な夜の女王

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