受験生必見!「sinもcosも怖くない」比で物理を攻略する3ステップ解法
三角関数、苦手ではありませんか?
数学がそれまではわかったのに、**sin(サイン)やcos(コサイン)**が登場した途端、頭が真っ白になってしまった…そんな経験はありませんか?ぼく自身、はじめてサインやコサインに出会った時は、
「なんじゃこりゃ〜〜」
と思って、なんとなく苦手意識を持ってしまいました。
実は物理の計算問題で使う三角関数は、慣れが9割です。慣れてしまえば、もはや数学の難しい公式ではなく、単なる「便利な道具」の一つに過ぎません。たった2つの代表的な直角三角形の比さえ頭に入れておけば、たいていの問題は乗り越えられます。
この2つの直角三角形とは、1:2:√3 の直角三角形と、1:1:√2 の直角三角形
物理の計算問題では、この2つ以外の直角三角形はほぼ登場しません。もしあなたが三角関数が苦手でも、この2つの比だけは絶対に忘れないでください。それでは、物理基礎の最初の難関「ベクトルの分解」を、三角関数を使った王道の方法と、三角関数を使わない裏技的な方法の両方で、わかりやすく解説していきましょう。
問題
次の力をそれぞれx軸とy軸に分解したとき,それぞれの方向の力の大きさを求めなさい。なおx軸とy軸は直交しています。
解答・解説:王道の「3ステップ解法」
(1) 力の分解は、この3つのステップで考えるのが鉄則です。
3ステップ解法
① x軸・それに直交するようにy軸を作る。
② 元の矢印が長方形の対角線になるように、長方形をつくる。
③ x軸とy軸に沿った2本の矢印に分解する。
それでは実際にやってみましょう。
①・② 矢印が長方形の対角線となるように、長方形をつくる。
③ 2本の矢印に分解する。
【知識のポイント】
角度θを挟んでいる辺はcos、θを挟んでいない辺はsinを使うと覚えましょう。
(2) (1)と同様に、ベクトルの分解の3ステップをつかって、力を分解していきましょう。
①・② 矢印が長方形の対角線となるように、長方形をつくる。
今回はx軸、y軸が斜めになっているため、長方形も斜めになります。斜面上の運動を扱うときによく使う分解です。
③ 2本の矢印に分解する。
別解:比で解く!三角関数を使わない最強の裏技
「どうしてもsinとcosが苦手…」という人は、比を使いましょう。
実は、三角関数の値も、直角三角形の辺の比から導き出されるもの。だから、比の関係さえ頭に入っていれば、三角関数を使う必要はありません。
例)(1)の問題の場合
この問題の角度は30度なので、直角三角形の比は1:2:√3です。
(2)の問題の場合
この問題の角度は45度なので、直角三角形の比は1:1:√2です。
いかがでしたか?苦手意識を持つこともありますが、物理基礎ではこの「比」の裏技が本当に役立ちます。まずはこの2つの直角三角形を完璧に頭に入れて、ベクトルの分解をどんどん練習してみてください。慣れてくれば、三角関数なんてなにも怖くなくなりますよ。
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