魔法のボールでプログラミング!Spheroと始める科学の冒険

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

学校や家庭で使いやすいプログラミングロボットSphero

今回は、まるで生きているおもちゃのように、遊びながらプログラミングの基礎が学べる、魔法のボール型ロボット「Sphero(スフィロ)」をご紹介します。

「プログラミング教育」と聞くと、「難しそう…」「パソコンの画面とにらめっこするんでしょ?」と身構えてしまう方も多いかもしれません。確かに、複雑なコードを打ち込む作業は、最初はとっつきにくいですよね。しかし、もし目の前にあるモノが、自分が作った命令(プログラム)通りに動き出したら、どうでしょう?

プログラミングの真髄は、「命令を与えること」と「それがどのように実行されるか」を知ることにあります。そして、その結果が目で見て、手で触れて、はっきりと確認できること。これこそが、子どもから大人まで、プログラミングに興味を持ってもらうための最大のポイントです。

左のボールがロボットです。

NEWS Sphero社とこちらのページを家庭用マニュアルとして作りました。こちらから御覧ください

今回ご紹介する「Sphero」は、そんな「物理的な感動」を与えてくれる、アメリカ(コロラド州)生まれのボール型ロボットです。

たとえば角度を話しながら正方形を描くようにプログラミングもできます。

スフィロミニの様子

この丸くて愛らしい形は、まるで生き物のよう。プログラミングが苦手な人も、「このボールを思い通りに動かしてみたい!」という純粋な好奇心から、自然と学習に入り込めます。

遊びながら学べる!Spheroのプログラミング環境
Spheroでプログラミングを行うには、「Sphero Edu(スフィロ イーディーユー)」という専用アプリを使います。タブレットやスマートフォンから、まるでゲーム感覚でプログラミングが組めるのが大きな特徴です。しかも、Bluetoothで無線接続するため、コードを転送する際も面倒な手間は一切かかりません。

https://edu.sphero.com/

iPhone、Androidのスマートフォン、iPad、KindleFire、Chromebookなどに対応

このアプリがすごいのは、ユーザーのレベルに合わせて3種類のプログラミング方法が用意されていることです。

ドロー(Draw):指でなぞった軌道通りにロボットが動く最も直感的な方法。小さな子どもでも、描いた線が現実で再現される感動を味わえます。

ブロック(Blocks):Scratchなどでおなじみの、ブロックを組み合わせるビジュアルプログラミング。命令ブロックをパズルのように組み合わせるだけで、複雑な動きも作れます。

テキスト(Text):本格的なプログラミング言語(JavaScript)を使ってコードを直接書く方法。より高度な制御や複雑な計算に挑戦できます。

驚くほど簡単にプログラミングができます!

ブロックプログラミング

ドロープログラミングの例
指でなぞるだけで、そのとおりにロボットが動く

スフィロで身につく理科の知識
Spheroは単なるおもちゃではありません。プログラムを通じて、様々な科学の概念を遊びながら学べます。

例えば、物理学の概念です。

「速度」や「加速度」をプログラムで設定することで、どう動くか。

「角度」を変えて動かすことで、正方形や三角形といった幾何学的な図形が描けるのはなぜか。

「センサー」という、ロボットの目や耳にあたる機能を使って、周囲の環境(衝突など)を検知し、動きを変えることができます。センサーの働きは、プログラミングの世界だけでなく、私たちの身の回りの家電や自動車にも応用されている重要な技術です。

これらの学習を通じて、論理的な思考力や、問題を解決するための「PDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)」を自然と身につけることができます。

Spheroは、落としても壊れにくい丈夫な設計で、教育用として最適です。また、比較的安価な「mini」や、より機能が充実した教育用の「SPRK+」など、様々なモデルがあります

amazon Sphero

すべてのロボットボールで、この「Sphero Edu」アプリを使ってプログラミングができます。もっと詳しく知りたい方は、こちらの書籍も参考にしてくださいね。

さあ、Spheroと一緒にプログラミングの冒険に出発しましょう!

なるほどスフィロ 目次

  • ステップ1 まずは動かしてみよう!(位置合わせからプログラミングまで)
    スフィロの特徴はブロックでプログラミングができるということです。ブロックでできるので、小学生から学習することができます。ここでははじめの位置合わせ、ラジコンコントロールについて紹介します。
  • ステップ2 ブロックプログラミングと正方形
    ブロックプログラミングを使って、スフィロで図形を描きます。まずは正方形を描くプログラムを作ります。方法は様々。良いプログラムとはどんなものでしょうか。
    → 別の方法 センサーデータを使って正方形を描こう
  • スフィロで正三角形を描こう
    正三角形を描くにはどうしたらいいのいか?60°で設定をすると、正六角形になってしまいます。さてどうすればいいのでしょうか。
  • スフィロで円を描こう
    スフィロを使って円を描いてみましょう。円を描くには、どうすればいいのか?変数やループを使います。本格的なプログラミングの内容に近づきます。
  • スフィロをつかって迷路ボーリング
    スフィロの操り方を学ぶために、曲がったコースのボーリングに挑戦!地表面の状態なども考えてプログラムを組みます。PDCAサイクルをいかに速く回すのかがポイント。
  • スフィロで計算をしてみよう
    スフィロを使って簡単な計算をする方法を紹介します。長い命令も、ループや変数を使えばプログラムを短くすることができます。
  • 衝突時の動きなどのセンサーを利用しよう
    外部から普段とは違った刺激を受けたときにセンサーで検知をして、計算結果を話させたり、別の動きをするようにプログラムをしてみましょう。
  • スフィロで条件分岐(if文)を使おう/計算をさせてみよう
    スフィロを投げたら偶数回のときにだけ読み上げるプログラムを作りながら、剰余演算(モジュロ)などについて学びます。
  • スフィロで動物の動きを表現してみよう
    スフィロがもしカエルだったら?変数、ループ、条件分岐、衝突時の挙動などなど。今まで学んだ様々な知識を使って、動物の動きをプログラムしてみましょう。

例)カエルの動き

その他

SpheroSPRK+がやってきた!

スフィロの公式サイト

公式教員向けガイド

スクラッチ・ピョンキー

スフィロをプログラミングするさいに、スフィロを実際に動かさなくても練習ができるスクラッチやピョンキーについて紹介しています。

ブロックの切り離しな方
ブロックを切り離したり、数字を入力する時の方法などについて。

四角形・星の描き方
四角形や星を描くためには、どのようにプログラムすればよいのでしょうか?

円を描くためには?
円を描くためにはどうしたら良いのか?数学の知識も必要になります。

正◯角形を描こう!
プレーヤーが入力する数字をひろって、それに対応した正◯角形を描くプログラムです。

タブレットを傾けると動くゲーム
タブレットのセンサーをつかって、傾けるとキャラが動くゲームを作ります。

レースゲームを作ろう!
色の判別(条件分岐)をつかって、車が動き回るプログラムを作ります。

 

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