理科実験で社会とのつながりまで学べるSEPUPプログラムの紹介

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6月11日(日)に行われたSEPUP研究会に参加をしてきました。この研究会は、SEPUPという米国カルフォルニア大学バークレー校で開発された科学教育プログラムについて学ぶ研究会で、日本で開発しているSEPUPプログラムも体験できます。

会場は「昭和女子大学附属昭和中学校・高等学校」でした。今回体験したのは、

① 「ブラックボックス ~科学を学ぶとは?」 百武先生
② 「水溶液と環境 ~化学物質はあぶない?」 小森先生
③ 「有害な廃液 ~工場はこれからどうすればよいのか?〜」 道川先生

の3つの実験についてです。ブラックボックスについては、こちらに詳しくかかせて頂きましたが、

https://phys-edu.net/wp/?p=25791

ブラックボックスを一度味わうと、生徒から実験に対して1つの答えがあるという固定観念から抜け出すことができるとても良い教材です。体験をしてみると、はじめてその有用性にわかる実験で、中学1年生のはじめに取り入れたい教材の一つです。ついつい大人もハマってしまうという不思議な力のある教材です。

次に行われた水溶液と環境では、「化学物質が危ない」と思っているけれど、本当に危ないのか?自然のものはあぶなくないのか?量については考えなくていいのか?保存料って本当にいけないものなのか?などなど、なんとなく危険だと思っているものについて、本当にそうなのか?とよくよく考えるきっかけとなるワークでした。

またその後に行われた、連続希釈による百万分率のPPMを体験する実験では、食紅を使って10分の1、さらに10分の1とうすめていきます。タウリン1000mgというのと、タウリン1gというのとでは、聞こえ方が違うという例を小森先生はあげていましたが、単位に強くなるということは非常に大切なことですね。

またその際に使ったナリカのプチボトルというボトルは、力の大小に関わらず、一滴ずつたれるという面白いボトルで、ガラス器具を使わないという点からも、どの学年でも簡単にできる実験かなと思いました。

最後に行った有害な廃液では、例えば塩化銅1Lの廃液を環境基準にあうまで水を入れるとすると、水はどれくらい必要になるのか?水を使わないで濃度を下げるためにはどうすればいいのか?イオン化傾向を利用して銅を取り出すときに、どの金属が経済的にみても効率が良いのか?などを実験を行いながら体験するというワークでした。

それぞれ、どれも実験が独立しているのではなく社会との関わりを感じる内容なのがSEPUPの特徴で、体験してよくわかりました。

次回は10月の定例会になりそうです。また募集がかかると思いますので、もしよろしければお会いしましょう(^^)

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