謎解き気分で植物を分類!手作り「植物カード」で色々な分類を考えてみよう!
植物の分類、どのように教えていらっしゃいますか?「はい、これ覚えて〜」だけでは、子どもたちの知的好奇心はなかなか刺激されませんよね。植物の分類は、単なる暗記になりがちですが、そこには科学的な思考力を育むための奥深い面白さが隠されています。
「なぜ、この植物はこのグループに入るんだろう?」「どんな違いがあるから、この植物は別のグループなんだろう?」
このように、子どもたち自身が**「分類の基準」**について深く考え、試行錯誤する過程こそが、理科の授業の醍醐味ではないでしょうか。しかし、その「考えさせる」ための具体的な方法に頭を悩ませる先生も少なくないはずです。
そこで今回は、子どもたちが主体的に植物の特徴を比較し、分類のルールを「発見」できるような、とっておきのカード教材をご紹介します。
これを使えば、生徒たちはまるで探偵のように植物の謎に迫り、理科的な思考力をぐんぐん伸ばしていくことでしょう。単に知識を詰め込むのではなく、**「なぜそうなるのか?」**という科学の根源的な問いに向き合うきっかけを、このカードが提供してくれます。
Canvaで作成!植物分類カード教材
このカードはCanvaを使ってデザインしており、さまざまな植物の特徴を比較しながら分類を考えることができる教材になっています。授業で使うことで、生徒が主体的に分類のルールを発見し、理科的な思考力を鍛えることができます。こちらがその教材です。
授業準備:必要なものと手順
【準備するもの】
印刷したカード(厚紙推奨): 生徒が手に取って扱いやすいように、厚紙に印刷することをおすすめします。普通紙の場合は、ラミネート加工をすると耐久性が増します。
はさみ(カードを切り分ける場合): 印刷後にカードを個別に切り分ける際に必要です。事前に切り分けておくと、授業時間を有効活用できます。
マグネットシート(黒板で使う場合): グループ発表などで黒板に掲示する際に便利です。カードの裏に貼るか、マグネット付きのクリップを使用するのも良いでしょう。
クリップや輪ゴム(カードを整理する場合): グループごとにカードをまとめる際や、授業後に保管する際に役立ちます。
付箋:分類するときに使います。
【授業の流れ】カードを配布する
生徒にカードを配布し、それぞれの植物の特徴をじっくりと確認させます。まずは個々にカードを見て、どんな植物があるのか、どんな情報が書かれているのかを把握させましょう。
グループで分類基準を考える
数人のグループを作り、カードに書かれた植物の「形」「色」「種子の有無」「葉の付き方」など、様々な特徴に着目させ、「どんな基準で分類できるか?」を話し合わせます。この段階で、生徒たちの自由な発想を大切にしましょう。正解を急がず、多様な意見が出るように促してください。付箋を配布して、どうやって分けたのかを書いてもらうのも良いでしょう。
分類ルールを決定し、カードを整理する グループごとに話し合った結果を基に、独自の分類ルールを決定させ、そのルールに従ってカードを分類・整理させます。模造紙などに分類したカードを貼り付けさせると、発表の準備がしやすくなります。
発表しながら比較・検討 各グループに、自分たちが決めた分類ルールと、それに基づいて分類した結果を発表させます。他のグループの発表を聞きながら、「なぜそのように分類したのか?」「自分のグループとの違いは何か?」を比較・検討させ、分類の基準について考えを深めさせます。この時、教師は質問を投げかけ、生徒間の議論を促すファシリテーターに徹しましょう。
教科書的なものではなく、色々な分類が出てきます。例えば「食べられるか食べられないか」「虫媒花・風媒花」「合弁花・離弁花」「茎が柔らかいか・硬いか」などなど。こんな班も現れました。「臭いか・臭くないか」などの観点も入っていました。面白い!
理科の知識が深まるポイント
このカードを使うと、生徒が「どう分けるか?」を試行錯誤できるので、分類の考え方が自然と身につきます。単に「植物にはこういう分類がある」と教えるのではなく、**「なぜそのように分類するのか?」**という本質的な問いに向き合わせることで、生徒の思考が深まります。
例えば、
「種子植物とそうでない植物では何が違うのか?」
「単子葉類と双子葉類を分ける基準は?」
といった、より上位の分類概念に自然とたどり着くことができるでしょう。また、自分たちで分類基準を構築する過程で、観察力や分析力、そして論理的思考力といった、理科的な思考の基礎を鍛えることができます。生徒が「面白い!」「なるほど!」と実感できるのが、この教材の最大の魅力です。非常に盛り上がるので、日々の授業で試してみてください!
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