教室で語りたくなるSFと感動『のび太の絵世界物語』が心に刺さった!
『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』を見てきました。
久しぶりのドラえもん映画でしたが、これがまあスリル満点で、そしてちゃんと感動できる、思っていた以上に良作でした。タイトルだけ見ると「ファンタジー多めかな」と思っていたんですが、**“絵が上手いってなんだろう?”**という、誰もが一度は考えるけれど言語化しづらい問いに、まっすぐ向き合った内容になっていて、気づけば涙が溢れていました。
理科教師的な視点で言えば、「絵と現実を行き来する」という設定から、世界の構造や境界、現実と仮想の関係性といったSF的テーマにまで想像を広げられます。「これは一種の異世界転移ではなく、“視点の変換”なのでは?」という問いも生まれたりして、妙に深く楽しめてしまいました。
あらすじ(※ネタバレほぼなし)
ざっくり紹介すると──のび太たちは、ひみつ道具で「絵の中と現実を行き来できる」ようになります。そこで出会ったのが、少女とコウモリのような何かが描かれた一枚の不思議な絵。実はその絵、事故によって二つに割れてしまっていて、それぞれが「絵と現実をつなぐ出入り口」になっていたという設定。そしてのび太たちは、少女とともにもう一つの出入り口から、芸術が花開いた13世紀の王国にたどり着くのです。
物語は、芸術の価値や、表現とはなにか? というテーマを軸に進んでいきますが、それだけでなく、歴史・科学・哲学・冒険と、様々な要素が絶妙に絡み合っていて、大人でも「これは面白いぞ」と思えるような仕上がりになっています。
映画に出てきた秘密どうぐについての漫画も公開されています。
子どもたちの反応
さて、うちの5歳の次男はというと──大号泣。どうも中盤の暗いシーンや、少し怖めの演出がかなり響いたようで、「どうだった?」と聞いたら、「もう懲り懲り」とひとこと。完全にビビってました。
一方で、小2の上の子はというと、最初は乗り気でなかったのに、終わってからは「めっちゃ面白かった!また見たい!」と大満足の様子。ストーリーの理解は完全ではなかったと思いますが、「絵の中に入る」「芸術の国」という非日常感が、素直にワクワクしたようです。
今回、久しぶりにドラえもん映画を見て、「ああ、こんなに進化してたのか」としみじみ思いました。子ども向けのようでいて、大人にしっかり刺さるテーマ。絵の中の世界で起こるドラマが、現実をどう見るか、どう生きるか、という問いにまでつながっていく──。教室で「想像する力」「表現する力」を扱うとき、きっとこの映画の話は生徒にとってもヒントになるはず。特に「美しさとは何か?」「うまいってどういうことか?」に悩む生徒と一緒に見たくなる、そんな一本でした。
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