まっかっかだけど、見えない!?深海の生き物のひみつ(名古屋港水族館)

桑子研
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。

突然ですが、みなさんは「深海」ってどんな世界か知っていますか? テレビや図鑑で見たことがある人もいますね。 深海は、太陽の光がほとんど届かない、とっても暗くて冷たい場所です。そこには、わたしたちが住んでいる世界では見ることのできない、ふしぎな生き物がたくさん暮らしています。

そんな深海にいる生き物で、とくに「おもしろいな!」と先生が思うのは、体が真っ赤な色をしている生き物が多いことです。エビやカニの仲間も、魚の仲間も、なぜか赤っぽい色をしていることが多いですよね

「えっ、暗い海の中で赤なんて、目立っちゃうんじゃないの?」

そう思った人もいるかもしれませんね。たしかに、明るい海や陸の上だったら、真っ赤な色は大げさなくらいに目立ってしまいます。でも、深海では、この「赤色」が、生き物たちの身を守るための、とっても大切なひみつになっているんです今日は、この「深海の赤色」に隠された、おもしろい科学のひみつを一緒に探検してみましょう!

太陽の光は、海の中でどんどん消えていく

太陽の光は、いろいろな色がまざり合ってできています。虹が赤から紫まで、7つの色に見えるのと同じですね。この太陽の光が海の中に入っていくと、水に吸収されて、少しずつ弱くなっていきます。でも、色によって吸収される量が違います。実は、赤い光が、いちばん最初に水に吸収されてしまうんですね。

だから、海の中を進んでいくにつれて、だんだん赤色がなくなっていきます。水深が深くなればなるほど、赤色は見えなくなり、青っぽい光だけが届くようになります。

深海では、赤色は「黒色」になる!

赤い光が届かない深海の世界では、どうなるか想像してみてください。

真っ赤な色をした魚がいたとしても、その魚の体を照らすための「赤い光」がないよね。だから、その魚の体は、私たちには「赤色」として見えません。光がないから、まわりの景色と同じように「黒っぽい色」に見えてしまうんです。 深海に住んでいる赤色の生き物たちは、暗い海の中でまわりの色に溶け込んで、見つけられにくくなるのですね。

赤色は、生き残るための「魔法」の色

この「見つかりにくい」ということは、深海で生きる生き物にとって、すごく大きなメリットになります。

  • 身を守るため: 天敵(てんてき)に食べられそうになったとき、体が目立たなければ、逃げやすくなるよね。
  • ごはんを捕まえるため: 逆に、自分がごはんを捕まえたいときも、相手に気づかれずに、こっそり近づくことができるんだ。

一見、派手に見える「赤色」は、深海という特別な環境で生き残るための、とっておきの「魔法の色」だったのですね。深海にいる生き物たちが赤色をしているのは、おしゃれをしているわけではなく、何万年もかけて、その場所で生き抜くために身につけた、すごい工夫の一つだったのですね。

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