【自由研究にも】おもちゃのバネで「音の正体」が見える!?感動の巨大縦波発生装置を作ろう!
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験!
「波」と聞くと、みなさんは何を思い浮かべますか?キラキラと光る海の波、あるいは、お風呂の水面に広がる波紋でしょうか。実は私たちの身の回りには、目には見えないけれど、とても大切な「波」であふれています。その代表が「音」。そして、遠い地面の底から伝わってくる「地震の波」もその一つです。
今回は、そんな目に見えない波の中でも、特に「縦波(たてなみ)」と呼ばれる波の正体を、おもちゃのバネを使って解き明かす、とっておきの実験をご紹介します。生徒たちと一緒に試行錯誤しながら作り上げた、感動も大きな装置です。ぜひ、ご家庭で波の不思議を体験してみてください!
そもそも「縦波」ってなんだろう?
私たちがイメージしやすい海の波は、水が上下に動きながら、波が前に進んでいきますよね。これは「横波(よこなみ)」と呼ばれます。
それに対して「縦波」は、波が進む方向と同じ方向に、媒質(波を伝えるもの)が振動する波のことです。ちょっと難しいでしょうか?例えば、満員電車で後ろからグッと押されると、その「押された圧」が人の列を次々と伝わっていきますよね。一人ひとりは前後に少し動くだけですが、「混み合っている部分」が前に進んでいく、あのイメージが縦波です。
実は、私たちの耳に届く「音」も、この縦波の仲間なのです。空気の「ギュッと濃くなる部分(密)」と「スカスカに薄くなる部分(疎)」が交互に伝わってくることで、私たちは音として認識しています。この装置は、まさにその空気の振動を、バネの伸び縮みで”見える化”してしまう実験なのです!
科学のレシピ:縦波発生装置の作り方
装置といっても、作り方はとてもシンプル。材料も手に入りやすいものばかりです。
準備するもの
- おもちゃのバネ(金属製やプラスチック製の伸び縮みするスプリング)
- ワイヤーネット(100円ショップなどで手に入ります)
- セロハンテープ
作り方
- おもちゃのバネを、いくつかセロハンテープでまっすぐ連結します。長くつなぐほど、ダイナミックな波が観察できますよ。
- ワイヤーネットに、連結したバネを写真のように等間隔で吊るしていきます。ここで一つ、とても大切なコツがあります。それは、「バネを吊るす間隔」です。生徒たちと試してみたところ、間隔が狭すぎても広すぎても、波はうまく伝わってくれません。狭すぎるとすぐに勢いがなくなり、広すぎると波の伝わるスピードが速すぎて観察しづらいのです。絶妙な「塩梅(あんばい)」を見つけるのも、この実験の醍醐味です!
- すべて吊るし終えたら、完成です!さあ、端っこをそっと揺らしてみましょう!
感動の瞬間!波が生まれる様子を観察しよう
言葉で説明するよりも、実際に見ていただくのが一番です。端を揺らしてみると、一体どんな現象が起こるのでしょうか?次の動画をご覧ください!
いかがでしたか?バネがギュッと集まる「密」な部分と、ビヨーンと伸びる「疎」な部分が、まるで生き物のように伝わっていく様子が見えたでしょうか。これこそが、音や地震のP波(初期微動)の正体である「縦波」の姿なのです。
簡単に作れる装置ですが、バネの長さを変えたり、吊るす間隔を調整したりと、工夫次第でさらに面白くなります。ぜひご家庭でも、この感動を味わってみてくださいね!
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