クルックス管を使った電子の正体に迫る各種実験について(真空放電管)
クルックス管(真空放電管)に+極と−極を繋いで、電圧をかけてみると電子線の観察ができます。この電子線ですが、十字の影のでき方様子から、どうやら−極から出ることがわかります。こちらの動画をご覧ください。
こちらは黄色がマイナス極、赤がプラス極です。この時、十字の模様が写ります。
正面から見るとくっきり見えますね。
逆に繋いでみると、十字の模様がはっきりしません。
電流の向きに関しては、ベンジャミン・フランクリンが1750頃に+から−の向きに流れていると決めました。しかし当時は電流の正体まではわかっていませんでした。それからおよそ100年後の、1869年に科学者のヒットルフが、ー極から何らかのビームが出ているということを指摘しました。この時わかったのは、電流の正体となるものがマイナス極からプラス極に流れているということです。(wikipediaより)
ここからは授業者の注意点です。
クルックス管を使った演示には注意点があります。こちらをよく読んで、生徒の前で行うときは特に注意をしましょう。X線の発生をできるだけ抑えるために、特に重要なのは、
誘導コイルの放電出力は、電子線の観察ができる範囲で最低に設定する。
できる限り距離を取る。生徒への距離は1m以上とする。
演示時間は年間10分程度に抑える。
などですね。私は3分くらいで見えたらおしまえいにしています。また動画を撮って、見せたりもしています。
また誘導コイルを使うので、授業者は説明しながら行うとふとした瞬間に感電をすることもあります。私は一度感電をしたことがあるのですが、ひっくり返るような衝撃でした。特に操作に注意をする必要があります。
電極付きの真空放電管の中で陰極線(電子線)を発生させて、電場を上下にかけてみました。どちらに曲がるのか?で陰極線の持つ電荷の種類がわかります。
電場が何もない場合は、真っ直ぐと進みます。
上に+、下に−の電場をかけると、上方向に電子線が曲がります。
逆に、下に+、上に+の電場をかけると、下に曲がります。
ちなみに接続の方法はこちらです。
同じ仕組みで電子の動きを操作しているものにブラウン管テレビがあります。昔のテレビに磁石を近づけた様子はこちらです。併せてご覧ください。
電子線(陰極線)に磁石を近づけてみたときの様子です。ローレンツ力の向きと一致しているのか、左手で確かめてみましょう。
陰極からビームが出ています。的にあてると、影ができることから、粒子が陰極から出ていることがわかります。
S極を近づけると、下の方に曲がります。
フレミング左手の法則と手の形をあわせてみてくださいね。
こちらも併せてご覧ください。
こちらのサイトもおすすめです。
続く放射線については、こちらの動画がおすすめです。
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