【科学監修】リモコンは15m届く? テレビ番組監修で見た「赤外線」のすごい実力
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
「テレビのリモコンって、いったいどこまで届くんだろう?」
部屋の隅から操作してみたり、わざと遠くから試してみたりした経験はありませんか? 実は、その限界に挑戦するようなクイズの裏側で、少しお手伝いをさせていただきました。2025年10月26日(日)に放送された「即決二択クイズ!!シロクロ」(⽇本テレビ)にて、科学監修を担当いたしました。
リモコンは15m離れても届くのか?
今回監修を担当したのは、「テレビのリモコンは15m離れていてもテレビをつける(消す)ことができるのか?」という二択クイズの部分です。テレビ番組のスタジオという広い空間で、実際に15m離れた場所から実演が行われました。

15mというと、学校の教室の端から端(約8m)の倍近い距離です。さすがに届かないのでは…?と思いきや、ボタンを押してみると…

なんと、テレビは見事に消えました!

目に見えない光「赤外線」のパワー
なぜ、あんなに遠くまで信号が届いたのでしょうか? その秘密は、リモコンから出た「赤外線(せきがいせん)」という光にあります。
赤外線は、私たちの目には見えない光ですが、普段見ている光(可視光線)よりも「波長が長い」という性質を持っています。 テレビのリモコンで言えば、まずは目に見えないので邪魔にならないという利点がありますね。また紫外線に比べればエネルギーが低いので安全です。さらに波長が長いので、空気中のチリや水蒸気などの影響を受けにくく、まっすぐ遠くまで進む力(直進性)が強いのが特徴です。
それも関係して、15mも離れていても、リモコンから出た赤外線の信号が、テレビの受信部にまっすぐ届いたのかもしれませんね。ただし、赤外線は光の仲間なので、間に壁や人が立つなど障害物があると遮られてしまいます。リモコンが効かなくなるのは、このためですね!
番組では、この「赤外線が遠くまで届く理由」について、解説のナレーションやテロップが入りました。その内容に科学的な誤りがないか、中学生や一般の方にも分かりやすい表現になっているかをチェックしました。小さいですが、監修をしたということで載りました。

普段何気なく使っているリモコンにも、面白い科学の秘密が詰まっています。ぜひ皆さんも、身の回りの「なぜ?」を探してみてくださいね。
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