理科教師が教える!実験データの処理が劇的に速くなるExcelショートカット術
サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験。
みなさんは、科学の実験や観察をしているとき、「もっと時間があればいいのに!」と思ったことはありませんか? 限られた時間の中で、正確なデータをとり、考察を深める。これは研究者だけでなく、理科の授業を受けるみなさんにとっても大切なテーマですよね。
今日は、そんな「時間の使い方の質」を高めるための、ちょっとした工夫についてお話しします。
実験データの処理を加速させるExcel術
Excelについての話題です。科学実験において、データの処理と共有は避けて通れません。 昨日Excelについての話題を書きましたが、Excelで作る表やグラフは、他の人がパッと見てわかりやすいように作ることが大切です。科学論文でもレポートでも、「相手に伝える」までが科学だからです。
他の人がわかりやすく作るということは、見た目の調整が欠かせません。 「このセルは文字表示で、このセルは数値(単位)を入れて、ここには罫線を引いて強調して、こっちの罫線は取って……」
このようにセルの書式を細かく調整していく必要がありますが、そのたびにマウスを使って、いちいち右クリックをして「セルの書式設定」を開いて……

セルの書式設定を選ぶ

この作業を繰り返していくのは、思考の時間を削ってしまう無駄な時間になりかねません。
マウスから手を離せ!「Ctrl + 1」の魔法
というわけで、理科教師として、そしてライターとして絶対に覚えておきたいとお勧めするのが、「コントロール」+「1」を同時に押すことです。 すると、瞬時にセルの書式設定が開かれます。
パット開く!

セルの書式設定を開けたら、次にマウスで必要な場所を探していく、のではなく、「コントロール」+「tab」を押してみてください。押すたびに、上部のタブが次々に動いていくのがわかります。

1回押す

3回押す

無事、罫線で囲むことができました。
この2つの技を知っておくだけで、随分とマウスから手が離れる時間が増えて、作業も効率化されるはずです。
「繰り返し」はショートカットに任せる
さらに、実験データの整理では「同じ作業の繰り返し」がよく発生します。 例えば、データを見やすくするために「5セルごとに罫線を引いていきたい」という時などです。
私は以前、範囲指定をして、先ほどのコマンド+1で罫線の設定画面を出して、セルごとに引いていました。でもこれを何十回も繰り返すのは、さすがに面倒ですよね。
そこで、同じ作業を繰り返したいときは、F4キーを押します。 すると、直前に行った「罫線を引く」という動作が記憶されていて、範囲指定をしてF4を押すだけで罫線がぱっと引けます。
そのほかにも、command + Y(Macの場合)でも同様に繰り返すことができます。これは細胞分裂のように、同じプロセスを高速で繰り返すイメージですね。
知っているからこそ、本質に集中できる
これらのショートカットキーは、とても便利な機能なので覚えておくと良いかなと思います。 もちろん、どのあたりまでをキーボードショートカットで行い、どこからをマウスで行うのかは、人それぞれです。
大切なのは、「便利な方法がある」と知った上で、使うか使わないかの判断を自らすることです。 作業時間を短縮できれば、その分、実験結果の考察や、新しいアイデアを考える「科学的な時間」を増やすことができますからね。
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