【科学監修】なぜ?が冒険の始まり。光の三原色キューブと見え方の面白さ「チャンハウス」

サイエンストレーナーの桑子研です。毎日が実験!

ただの透明なガラスの塊…そう思った瞬間、あなたの常識はくつがえされるかもしれません。手の中で転がし、見る角度を少し変えるだけで、透明だったはずのキューブが、突然、鮮やかなシアン、マゼンタ、イエローに輝きだす。まるで、光の魔法が閉じ込められた万華鏡。この不思議なキューブ「CMYキューブ」を、皆さんはご存知ですか?

テレビ番組がくれた「知りたい!」のきっかけ

先日、11月16日に放送されたテレビ番組『チャンハウス』で、このキューブが「人に言いたくなる雑学」の一つとして紹介されました。実は、その解説テロップの監修を、わたくし桑子が担当させていただきました。

監修をしながら、僕自身の科学好きの心にも火がついてしまったのです。「これは面白い!一体どんな仕組みなんだろう?」と。

光の引き算?色の魔法の正体を探る冒険へ

「なぜ、透明なはずのキューブから、あんなにも美しい色が生まれるのか?」

この問いが頭から離れなくなりました。私たちが絵の具を混ぜるときに使う「色の三原色(CMY)」。このキューブは、その原理を光で、しかも立体的に見せてくれているのです。これは、光を混ぜて色を作るテレビやスマホの画面(光の三原色RGB)とは、全く逆の「引き算の魔法」なのです。

考えれば考えるほど知りたくなり、「これはもう、自分で作って確かめてみるしかない!」と、手作りで謎の解明に乗り出しました。試行錯誤しながら仕組みを探る過程は、まるで科学者が新たな発見をする時のようなワクワク感に満ちていました。その全記録を、別の記事に詳しくまとめてみました。

色の三原色「CMY(シアン・マゼンタ・イエロー)」が織りなす光の魔法。その秘密を、ぜひ皆さんも一緒にのぞいてみませんか?

▼CMYキューブ自作と思考の過程はこちら!
https://phys-edu.net/wp/?p=46937

きっとあなたも、自分だけの色が変わるキューブを作ってみたくなるはずですよ!

日常に隠された科学のタネ:「背伸びができない」謎

ちなみに、その番組では「壁に足の爪先をつけて立つと、背伸びができない」という、これまた面白い雑学も紹介されていました。皆さんもぜひ試してみてください。壁に爪先をぴったりつけて、かかとを上げてみようとすると…あれ?体が持ち上がらないはずです。

これは、私たちの体の「重心」という、物理法則の重要な点が関係しています。重心とは、その物体の重さがすべて集まっているかのようにふるまう「バランスの中心点」のこと。私たちは、この重心が足の裏(支持基底面)の真上にあるときだけ、安定して立つことができます。

背伸びをするとき、私たちは無意識に体を少し前に傾けて、重心を前に移動させてバランスをとっています。しかし、壁に爪先が阻まれていると、その「前に傾ける」動きができません。結果、重心をうまく移動させられず、倒れてしまうので背伸びができないのです。

「お辞儀ができる」のも、実はお尻を後ろに突き出して、頭が前に出た分の重心を移動させ、バランスをとっているからなんですよ。CMYキューブが「光の科学」なら、こちらは「力の科学」。私たちの周りは、こんなにも「なぜ?」と思える科学のタネで溢れているんですね。

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